CEOからのメッセージ

第一次中期経営計画(2013年度-2015年度)の振り返り

2015年度は、2013年のJPX発足直後に策定した第一次中期経営計画の最終年度となりました。

目標として掲げた、統合シナジーによる「営業費用85億円削減」を着実に達成し、アベノミクスによる積極的な財政、金融政策を背景に証券市場全体が活況となったこともあり、JPXの「営業収益」「当期利益」は計画当初の目標数値を大きく上回りました。

3年前を思い起こしますと、中国をはじめとするアジア諸国が金融危機の影響をいち早く払拭し、目覚ましい経済成長を示す一方で、デフレ経済の長期化や東日本大震災の影響などから、相対的に日本経済の地位が低下し、グローバル経済社会の中で、「日本の金融資本市場が埋没していく」ことが深刻な懸念事項となっていました。

そうした中で、第一次中期経営計画では、「新しい日本株市場の創造」や「デリバティブ市場の拡大」、「取引所ビジネス領域の拡大」、「統合効果の早期実現」などを重点戦略項目として、様々な施策に取り組んできました。
こうした取組みが、各方面からご支援をいただいたことにより、第二次中期経営計画においてJPXが目指すさらなる飛躍の基礎となる成果を上げたと考えています。

 

JPXが中長期的に目指す姿と第二次中期経営計画における取組み

JPXは第一次中期経営計画の策定に際し、「アジア地域の取引所としてグローバルな市場利用者から選ばれる存在でありたい」という志を立てました。この志の実現には、金融資本市場のインフラとして安定的に高品質のサービスを提供していくことと同時に、多様化・高度化する市場利用者のニーズに応えていくことが必要です。

そこで、これまでの「現物市場ビジネス」への過度な依存から脱却し、「現物」「デリバティブ」「周辺分野」の3つのビジネスポートフォリオをバランスよく保持することをJPXの中長期的な「将来像」としています。

こうした「将来像」を目指し、第二次中期経営計画では、グループの総合力を発揮し、かつ、新たなビジネスを育成していく観点から、積極的な投資を行う方針です。具体的には、新たなデリバティブ商品の上場やOTCデリバティブの清算対象拡大のため、3年間で合計460億円の第一次中期経営計画の実績を上回る投資を計画しています。

市場の改善・拡大に向けた対応、サービスの拡充、金融リテラシーの向上、新たなビジネスの検討など、JPXグループ全社を挙げた取組みのさらなる発展(THENEXT)を求め、「STEP UP TO THE NEXT」をスローガンに、第二次中期経営計画を実行し、企業価値の向上に努めていきます。

 

今後のJPXの成長に向けて

JPXは、日本株の市況動向に収益が大きく影響を受けるという財務運営上の課題を抱えています。そのため、コスト構造の見直しとあわせて、収益の安定化に向けたビジネス領域の拡大が避けられません。

第二次中期経営計画においては、中長期的な目線での経営資源の戦略的な投資を通じて、デリバティブ市場ビジネスと、OTCデリバティブの清算や情報サービスなどの周辺分野を中心に、2018年度に営業収益で150億円の上積みを目指します。

一方で、JPXの運営する市場は公共インフラとして高い重要性を有しています。安定的な運営はもちろん、多様な利用者にとって利便性の高い市場でなければなりません。また、時代とともに高度化する取引手法に対し、リスクを的確に分析・把握し、リスク管理や売買審査等の機能強化に結びつけることで市場に対する信頼を万全にする必要があります。

引き続き、ステークホルダーの皆様との率直な意見交換を通じ、利便性・透明性の高いより魅力的な市場を提供していきたいと考えています。