ETFの概要

カバードコール指標

カバードコール指標とは、特定の資産(個別株や株価指数など。以下、参考となる指標も含めて「原資産」と言います。)を基礎として、カバードコール戦略を行った場合の収益を表すようにモデル化された指標で、一般にエンハンスト型指標(一定の投資成果を実現するための投資戦略を表現した指数)の一種とされています。カバードコール戦略とは、オプション取引を利用した代表的な投資戦略の一つで、原資産となる株式や株価指数などの水準が短期的に大きく変動しないと予想される時に、当該原資産を保有するとともにコールオプションの売りを組み合わせることで、原資産価格が大きく上昇した場合の収益を限定する代わりに、プレミアム受取による利回りの向上を狙う場合などに用いられます。
たとえば、原資産を日経平均株価とするカバードコール指標の場合、日経平均株価の構成銘柄(日経平均株価に採用された東証一部上場銘柄のうち225銘柄)の株式の保有と、日経225コールオプション(日経平均株価を対象とした株価指数オプション取引))の売付けを組み合わせた場合の収益をモデル化した指数となります。

カバードコール戦略の説明はこちら
オプションの投資戦略はこちら
かば子 画像

原資産との違い

カバードコール指標は、原資産にコールオプションの売りを組み合わせているため、原資産と完全に同じ値動きにならない場合があります。
カバードコール指標は、原資産がコールオプションの権利行使価格を下回る水準で推移する場合、コールオプションの権利行使は加味されないため、原資産に比べてコールオプションのプレミアム相当分だけ変動が底上げされますが、カバードコール指標と原資産の動きは、概ね同じような動きとなります。
他方で、原資産がコールオプションの権利行使価格を上回る水準で推移する場合、コールオプションの権利行使が加味されるため、原資産とカバードコール指標の連動性は低くなり、カバードコール指標は、ほぼ権利行使価格の水準に留まります。

原資産との違い
  • 上記の図は、原資産にコールオプション(行使価格1,050円)を10円のプレミアムで売り付けた場合のカバードコール指標と、単体の原資産の値動きを例示したものです。この図で示したモデルでは、例えば原資産の価格が1020円となった場合、カバードコール指標は1030ポイントとなることが想定されます。また、原資産の価格が1080円となった場合、カバードコール指標は1060ポイントとなることが想定されます。
  • コールオプションが売り建てられるタイミング(毎月のSQ日など)で、コールオプションの権利行使価格やプレミアムの水準が変わり、限定的となる上限水準も変動します。

カバードコール指標の特性

それでは、カバードコール指標の値動きを、具体例を用いてご説明いたします。具体例で用いるカバードコール指標は、項番1で用いたものと同じものとします。
カバードコール指標は、原資産にコールオプションの売りを組み合わせることで、以下のような特性を持ちます。

原資産がコールオプションの権利行使価格より低い水準で推移する場合

コールオプションのプレミアム分だけ底上げされるため、原資産よりも概ね高い水準で推移します。ただし、日々の変動率は、原資産と概ね同じ動きとなります。
 
原資産がコールオプションの権利行使価格1,050円より低い水準で推移する場合、通常コールオプションの買方は権利放棄をするため(原資産が1,050円よりも安いため、1,050円で買う権利は行使されないと考えられます。)、カバードコール指標は、コールオプションのプレミアム相当分程度、概ね原資産よりも高い水準で推移します。日々の変動率は、原資産と概ね同じ動きとなります。

(図1)

原資産がコールオプションの権利行使価格より低い水準で推移する場合

原資産がコールオプションの権利行使価格より高い水準で推移する場合

コールオプションの権利行使により、原資産の価格ほど上昇しなくなります。

原資産がコールオプションの権利行使価格1,050円より高い水準で推移する場合、通常コールオプションの買方は権利行使をするため(原資産が1,050円よりも高いため、1,050円で買う権利は行使されると考えられます。)、カバードコール指標は、組み合わせた原資産の値上がり分は享受できず(原資産が値上がりしてもコールオプションの買方に1050円で提供しなければならないため。実際に買方へ原資産は提供されませんが、買方に原資産を提供した場合の損益による変動がカバードコール指標に反映されます。)、結果、原資産の価格が上昇しても、カバードコール指標は1,050円にコールオプションのプレミアム相当分程度を加えた水準よりも上昇しません。

(図2)

原資産がコールオプションの権利行使価格より高い水準で推移する場合

原資産に連動するETFとの利益・損失の違い

上記のような特性から、例えばカバードコール指標に連動するETFと原資産に連動するETFを比較した場合、利益・損失の違いは以下のようになります。

キャピタルゲイン(株価の変動によって得る利益)

  1. 原資産がコールオプションの権利行使価格水準より低い水準で推移する場合
    カバードコール指標と原資産の日々の値動きは概ね同じになるため、価格変動による利益・損失は同水準となります。
  2. 原資産がコールオプションの権利行使価格水準より高い水準で推移する場合
    原資産の価格が上昇する一方で、カバードコール指標は権利行使価格にコールオプションのプレミアム相当分程度を加えた水準よりも上昇しないため、原資産に連動するETFに比べて、原資産の価格上昇による利益は限定されます。

インカムゲイン(ETFの分配金として受け取る利益)

カバードコール指標に連動するETFは、原資産に連動するETFに比べて、構成銘柄の株式配当金などのほかコールオプションのプレミアム分の収益分配が期待できるとされています。
ただし、分配方針は銘柄ごとに異なりますので、詳細は各ETFの有価証券届出書や目論見書などをご確認ください。

留意すべき投資スタイル

短期的に上昇相場を予想する場合の投資は留意が必要

原資産がコールオプションの権利行使価格以上に上昇する場合は、次のコールオプションを売り建てるまでの間、収益が限定的になります。そのため、短期的に上昇相場を予想する場合の投資は留意が必要となります。

カバードコール指標を用いたETF

東証に上場又は上場を予定しているカバードコール指標に連動するETFは、以下の1銘柄です。
当該銘柄の連動対象となるカバードコール指標の特性等は、当該ETFの有価証券届出書や発行者HPで開示されています。

日経カバードコール指数上場投信 (シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社)icon-block