ETFの概要

マーケットニュートラル指標

マーケットニュートラル指標とは、ある特定の指標(以下「原指標」)に連動する投資ポートフォリオに関し、一定の基準に従い、市場リスクをヘッジするショートポジションを組み合わせる投資戦略の収益を表す指標です。一般的にエンハンスト型指標(一定の投資成果を実現するための投資戦略を表現した指数)の一種とされています。

マーケットニュートラル指標の特性

原指標が、広範な市場を参照した時価総額型の指標(以下「一般的な指標」)ではなく、何らかのルールに基づき銘柄選択や組み入れ比率の調整をしている場合(所謂「スマートベータ指標」等の場合)、一般的な指標に対する超過収益(アルファ=α)が相応の水準で生じる事が期待されます。
この超過収益部分を抜き出してパフォーマンスを計測する事を目的とした指標です。

狙う投資効果のイメージ

もちろん、常にプラスの超過収益が出る事が保証されている訳では無く、市場の上昇時・下落時の双方において、マイナスの収益率となる可能性が存在します。

損失が出る場合のイメージ

原則として、マーケットニュートラル指標のリターンは、一般的な指標によって計測される市場全体の上昇・下落とは無関係に(市場中立的に)決まる事が期待されます。

マーケットニュートラル指標と原指標の推移比較

  • マーケットニュートラル指標として、ここでは「MSCIジャパンIMIカスタムロングショート戦略85%+円キャッシュ15%指数」を用いています。
  • 原指標は「MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数」です。

原指標に連動するETFとの利益・損失の違い

原指標に連動するETFと比較した場合、マーケットニュートラル指標に連動するETFは利益・損失の出る局面が違います。原指標は、一般的な指標とは違う構成銘柄・構成比率ではあるものの、基本的に市場全般の動きに大きな影響を受けるため、利益・損失の出方は一般的な指標の動きに比較的連動したものとなります。一方、マーケットニュートラル指標は原指標と一般的な指標との変動率の差分を反映したものであるため、原則としてその利益・損失の出方は市場全般の動きとは無関係なものとなります。また、基本的には原指標に比べて日々の値動きが小さくなる傾向にあります。

留意すべき投資スタイル

マーケットニュートラル型指標は、市場全般の下落による損失を低減させる効果が期待できる反面、市場全般の上昇による収益機会も限定されることがあり、加えて日々の値動きが小さくなる傾向にあります。したがって、市場全般の値動きを捉えた投資行動を行う投資家や、短期的に収益を求める投資家は、期待する投資成果が得られにくいため留意が必要です。

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