ETFの概要

レバレッジ型指標

レバレッジ型指標は、原指標(TOPIX(東証株価指数)など)の日々の変動率に一定の倍数を乗じて算出される指標です。

レバレッジ型指標の特性

特性

レバレッジ型指標は、値動きや想定されるリターンが通常の指標とは異なる特性を有しています。ここではその特性について、TOPIXレバレッジ(2倍)指数を具体例に挙げて説明します。

  • TOPIX レバレッジ(2倍)指数は、変動率がTOPIX(東証株価指数)の日々の変動率の2倍となるように算出されているため、前営業日と比較するとその変動率は TOPIX(東証株価指数)の2倍となりますが、2営業日以上離れた日との比較においては、複利効果により、TOPIX(東証株価指数)の変動率の2倍超又は未満となる場合があります。
  • 特に、TOPIX(東証株価指数)が上昇・下落を相互に繰り返す場合、上記の複利効果によりTOPIXレバレッジ(2倍)指数は逓減していくという特性があり、このような場合、投資者は利益を得にくくなりますので留意が必要です。
  • TOPIXレバレッジ(2倍)指数は、TOPIX(東証株価指数)が上昇トレンドにある場合において、収益をさらに強く求める指標であるため、TOPIX(東証株価指数)の上昇を見込む場合には有用です。

留意点

<例1.原指標が上昇局面にある場合>

下図のように、原指標であるTOPIX(東証株価指数)が一方的に上昇する局面を考えます。このとき、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」の日々の変動率は、原指標の日々の変動率の2倍を達成しています。
しかしながら、2営業日以上離れた日(基準日→2日目)と比較してみると、TOPIX(東証株価指数)が15.5%上昇(100→115.5)したのに対し、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」は32%上昇(100→132)しており、その変動率は原指標の変動率の完全な2倍にはなりません。
このようにレバレッジ型指標は、相場の上昇局面においてより大きなリターンを狙うことが可能ですが、2営業日以上離れた日と比較した場合は、想定した変動率(原指標の2倍)とは異なる上昇率となってしまう点、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。

原指標が上昇局面にある場合

<例2.原指標が下落局面にある場合>

次に、下図のように原指標であるTOPIX(東証株価指数)が一方的に下落する局面を考えます。このとき、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」の日々の変動率は、やはり原指標の日々の変動率の2倍を達成しています。
しかしながら例1と同様に、基準日から2日目にかけての変動率を見ると、TOPIX(東証株価指数)が14.5%下落(100→85.5)したのに対し、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」は28%下落(100→72.0)しており、その変動率は原指標の変動率の完全な2倍にはなりません。
このようにレバレッジ型指標は、相場の下落局面においては原指標よりも大きく下落していきますが、2営業日以上離れた日と比較した場合は、想定した変動率(原指標の2倍)とは異なる下落率となってしまう点、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。

原指標が下落局面にある場合

<例3.原指標が上昇・下落を繰り返す場合>

次に、下図のように原指標であるTOPIX(東証株価指数)が上昇・下落を繰り返す局面を考えます。このときも、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」の日々の変動率は、原指標の日々の変動率の2倍を達成しています。
しかしながら、TOPIX(東証株価指数)は上昇・下落を繰り返しながらも3日目に基準日と同じ水準(100→100)に戻っているのに対し、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」は複利効果が働くため、100→98.6と基準日と同じ水準に回復していません。
このように、相場の方向感が定まらず、原指標が上昇や下落を相互に繰り返した場合、レバレッジ型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので留意が必要です。

原指標が上昇・下落を繰り返す場合

<例4.商品の市場価格がストップ高となった場合>

次に、下図のように「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」が上昇し、その結果商品の市場価格が当日の呼値の制限値幅の上限値段(いわゆるストップ高)まで上昇する局面を考えます。同日の市場価格はそれ以上上昇しませんが、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」の値動きには呼値の制限値幅のような制限がないため、市場の制限値幅に関わらず上昇することがあります。そのような場合、商品の理論価格は、連動指標である「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」に応じて上昇しますが、市場価格は呼値の制限値幅により上限値を超えては変動しませんので、商品を理論価格に近い価格で売買することが出来ない場合があります。
このような市場価格と理論価格との乖離は、レバレッジ型指標に連動する商品に限らず他のETFにも発生する可能性がありますが、原指標の変動率を増幅した指標であるレバレッジ型指標に連動する商品は、変動率を増幅していない指標に連動するETFに比べ市場価格及び理論価格の値動きが大きく、その結果市場価格がストップ高となり、理論価格と市場価格の乖離が発生する可能性がより高くなるため留意が必要です。
なお、このような市場価格と理論価格との乖離は、一般的には理論価格が商品の呼値の制限値幅内の値に戻った際には解消されると考えられます。

商品の市場価格がストップ高となった場合

<例5.商品の市場価格がストップ安となった場合>

最後に、下図のように「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」が下落し、その結果商品の市場価格が当日の呼値の制限値幅の下限値段(いわゆるストップ安)まで下落する局面を考えます。同日の市場価格はそれ以上下落しませんが、「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」の値動きには呼値の制限値幅のような制限がないため、市場の制限値幅に関わらず下落することがあります。そのような場合、商品の理論価格は、連動指標である「TOPIXレバレッジ(2倍)指数」に応じて下落しますが、市場価格は呼値の制限値幅により下限値を超えては変動しませんので、商品を理論価格に近い価格で売買することが出来ない場合があります。
このような市場価格と理論価格との乖離は、レバレッジ型指標に連動する商品に限らず他のETFにも発生する可能性がありますが、原指標の変動率を増幅した指標であるレバレッジ型指標に連動する商品は、変動率を増幅していない指標に連動するETFに比べ市場価格及び理論価格の値動きが大きく、その結果市場価格がストップ安となり、理論価格と市場価格の乖離が発生する可能性がより高くなるため留意が必要です。
なお、このような市場価格と理論価格との乖離は、一般的には理論価格が商品の呼値の制限値幅内の値に戻った際には解消されると考えられます。

商品の市場価格がストップ安となった場合

原指標に連動するETFとの利益・損失の違い

原指標に連動するETFと比較した場合、レバレッジ型指標に連動する商品は、日々の変動率が大きくなるため、利益・損失の額がともに大きくなります。

留意すべき投資スタイル

  • レバレッジ型指標は、中長期にわたって投資をする場合、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性があり、留意が必要です。
  • 原指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果により、原指標と比較して指数のパフォーマンスが逓減して行くという特性があり、投資者は利益を得にくくなりますので、留意が必要です。

レバレッジ型指標を用いた商品

東証に上場又は上場を予定しているレバレッジ型指標に連動する商品は、以下のとおりです。 当該銘柄の連動対象となるレバレッジ型指標の特性等は、当該商品の有価証券届出書や管理会社のウェブサイトで開示されています。

TOPIXブル2倍上場投信 (シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社)icon-block
NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 (野村アセットマネジメント株式会社)icon-block
中国H株ブル2倍上場投信 (シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社)icon-block
日経平均ブル2倍上場投信 (シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社)icon-block
上場インデックスファンド日経レバレッジ指数 (日興アセットマネジメント株式会社)icon-block
iFreeETF 日経平均レバレッジ・インデックス (大和アセットマネジメント株式会社)icon-block
iFreeETF TOPIXレバレッジ(2倍)指数 (大和アセットマネジメント株式会社)icon-block
楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型 (楽天投信投資顧問株式会社)icon-block
iFreeETF JPX日経400レバレッジ・インデックス (大和アセットマネジメント株式会社)icon-block
iFreeETF NASDAQ100レバレッジ(大和アセットマネジメント株式会社)icon-block
iFreeETF S&P500レバレッジ(大和アセットマネジメント株式会社)icon-block
上場インデックスファンドS&P500先物レバレッジ2倍(日興アセットマネジメント株式会社)icon-block