上場制度

不動産投資信託証券の上場には、当該不動産投資信託証券の発行内容その他の事項が「有価証券上場規程(不動産投資信託証券)」に定める上場審査基準に適合していることが必要となります。

その中において、運用資産等の総額に占める不動産等の額の比率に係る基準、運用資産等の総額に占める不動産等、不動産関連資産及び流動資産等の合計額の比率に係る基準、資産総額等に係る基準等が定められており、また、不動産投資信託証券の発行者や投資信託委託業者について、資産の運用体制、コンプライアンス及び適時開示に係る体制の観点から適当と認められる者であって、「投資信託協会」の会員であることや、金銭の分配が上場後継続して行えることなどが求められています。

東京証券取引所では、不動産投資信託証券の上場申請を受けた後、上場審査を行い、審査の結果、上場適格と判断した場合には、金融庁長官への届出を行います。

具体的な上場審査基準の内容は次のとおりです(契約型投資信託については、省略しております)。

運用会社等の属性について

項目 基準の内容
資産運用会社の適格性 投資法人の資産の運用に係る業務の委託を受けた資産運用会社が、社団法人投資信託協会の会員であること。
投資主名簿等管理人 投資主名簿等管理人が当取引所の承認する機関であること。

運用資産等の内容について

項目 基準の内容
運用資産等の総額に占める不動産等の額の比率 70%以上になる見込みのあること。
運用資産等の総額に占める不動産等、不動産関連資産及び流動資産等の合計額の比率 上場の時までに95%以上になる見込みのあること。

財務内容等について

項目 基準の内容
純資産総額 上場の時までに10億円以上になる見込みのあること。
資産総額 上場の時までに50億円以上になる見込みのあること。
監査意見 次の(a)及び(b)に適合していること。
  1. 新規上場申請銘柄に係る最近2年間に終了する各営業期間の財務諸表等又は各営業期間の中間財務諸表等が記載又は参照される有価証券報告書等に「虚偽記載」を行っていないこと。
  2. 新規上場申請銘柄に係る最近2年間に終了する各営業期間の財務諸表等に添付される監査報告書及び最近1年間に終了する営業期間の中間財務諸表等に添付される中間監査報告書において、公認会計士等の「無限定適正意見」若しくは「除外事項を付した限定付適正意見」又は「中間財務諸表等が有用な情報を表示している旨の意見」若しくは「除外事項を付した限定付意見」が記載されていること。ただし、当取引所が適当と認める場合は、この限りでない。
営業期間 営業期間として定める期間が6か月以上であること。

不動産投資信託証券の分布状況について

項目 基準の内容
上場投資口数 上場の時までに4,000口以上になる見込みのあること。
大口投資主(所有する受益権口数又は投資口口数の多い順に10名の受益者又は投資主をいう。以下同じ。) 大口投資主が所有する投資口の総口数に自己投資口口数を加えた投資口口数が、上場の時までに上場投資口口数の75%以下になる見込みのあること。
投資主数 大口投資主及び自己投資口を所有している場合の当該新規上場申請銘柄の発行者である者を除く投資主の数が、上場の時までに1,000人以上になる見込みのあること。

運用体制等について

項目 基準の内容
適時開示体制 不動産投資信託証券の上場を申請した者が、当該不動産投資信託証券に関する情報の開示を適正に行うことができる状況にあること。
  1. 新規上場申請書類のうち不動産投資信託証券に関する情報の開示に係るものに、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項が適切に記載されていること。
  2. 不動産投資信託証券の新規上場を申請した者が、資産の運用等に重大な影響を与える事実等の情報を適時、適切に開示することができる体制にあること。また、内部者取引等の未然防止に向けた体制が、適切に整備、運用されている状況にあると認められること。
資産の運用体制 不動産投資信託証券の上場を申請をした者が、資産の運用等を健全に行うことができる状況にあること。
  1. 不動産投資信託証券の新規上場を申請した者が資産の運用等にあたって、新規上場申請銘柄の投資主の利益を害することがないよう、適切な体制を整備していること。
  2. 不動産投資信託証券の新規上場を申請した者が、次のa及びbに掲げる事項その他の事項から、スポンサー(新規上場申請銘柄の投資主、資産運用会社の株主その他の新規上場申請銘柄関係者であって、運用資産の取得その他の新規上場申請銘柄に係る資産の運用等に主導的な立場で関与する者をいう。以下同じ。)の企業グループとの間で、取引行為その他の資産の運用等を通じて不当に利益を供与又は享受していないと認められること。
    1. 不動産投資信託証券の新規上場を申請した者とスポンサーの企業グループとの間に取引が発生している場合において、当該取引が取引を継続する合理性及び取引価格を含めた取引条件の妥当性を有すること。
    2. スポンサーの企業グループが自己の利益を優先することにより、新規上場申請銘柄の投資主の利益が不当に損なわれる状況にないこと。
  3. 不動産投資信託証券の新規上場を申請した者が資産の運用等を有効に行うため、その内部管理体制が、次のa及びbに掲げる事項その他の事項から、相応に整備され、適切に運用されている状況にあると認められること。
    1. 新規上場申請者の企業グループの経営活動の効率性及び内部牽制機能を確保するに当たって必要な経営管理組織が、相応に整備され、運用されている状況にあること。
    2. 新規上場申請者の企業グループの内部監査体制が、適切に整備、運用されている状況にあること。
  4. 不動産投資信託証券の新規上場を申請した者が資産の運用等にあたって、法令等を遵守するための有効な体制が、適切に整備、運用されている状況にあると認められること。
金銭の分配 新規上場申請銘柄に係る金銭の分配が上場後継続して行われる見込みのあること。

運用資産等のうち賃貸事業収入が生じている又は生じる見込みがある不動産等を継続して所有することにより、当該銘柄に係るファンドの金銭の分配が継続して行われる見込みのあること。
その他 その他公益又は投資者保護の観点から、その上場が適当でないと認められるものでないこと。

その他について

項目 基準の内容
適時開示に関する助言契約の締結に関する確約書又は推薦書 不動産投資信託証券の新規上場を申請した者が、上場後2年が経過するまでの間、当該不動産投資信託証券に関する情報の適時開示に係る助言契約を金融商品取 引業者との間で締結する旨を当取引所所定の書面により確約しているものであること。ただし、幹事取引参加者が当取引所所定の推薦書により当該不動産投資信 託証券の新規上場を申請した者を推薦しているものである場合はこの限りでない。
解約又は払戻しの取扱い 投資法人の規約において、投資主の請求による投資口の払戻しをしないこととされていること。
保振同意 新規上場申請銘柄が指定保管振替機関における取扱いに係る同意がなされているものであること又は上場の時までに当該同意がなされる見込みのあるものであること。