先物取引について

株価指数を原資産とする株価指数先物取引を例に、先物取引の契約から満期までの流れに沿って説明しましょう。

取引開始から終了まで

株価指数は抽象的な「数値」であるので、指数そのものを受渡しすることができません。 そこで、現実の指数と約定した価格との差額の授受を行うことで、その決済が行われます。
このように、差額を授受することによって決済することを「差金決済」といいます。
また、先物取引は「反対売買」(転売・買戻し)または「最終決済」によって決済を行いますが、決済を行っていないものを「未決済約定」といい、その未決済約定の数量を「建玉(たてぎょく)」といいます(決済方法については、「決済方法」の項を参照)。
満期までに、買いの建玉は転売、売りの建玉は買戻しを行うことによって決済を行うことができ、満期までこれらの決済を行わなかった場合は、「特別清算数値(SQ値)」で最終決済が行われます。

  • 最終決済における差金決済は、主に指数先物・オプション取引で行われます。国債(JGB)先物や商品先物など、対象原資産の受渡しを伴う決済(「現物決済」)が行われる商品もあります。

特別清算数値(SQ値)とは

スペシャル・クォーテーション(Special Quotation)の略です。主に指数先物・オプション取引の満期日の決済に用いられる数値のことです。例えば大阪取引所に上場する日経225先物・オプションの場合、毎月の第2金曜日の日経平均株価(日経225)構成銘柄の始値によって計算され、その日の日中取引終了(大引け)後に大阪取引所が発表します。通常の日経平均株価は気配値段も加えて算出されるため、必ずしも当日の日経平均株価の始値とは一致しません。取引最終日まで決済しなかった場合、このSQ値で自動的に決済されます。

先物市場取引における値洗い

先物取引では、建玉(たてぎょく:未決済の取引約定)について、清算値段(※)により日々評価替えを行うことによって、価格変動によって生じる計算上の差損益を毎日計算しています。これを「値洗い」といいます。値洗いを行うことにより、相場の変動に際しても決済の履行を確実にすることができます。

※東京商品取引所の市場においては「帳入(ちょういれ)値段」

詳細につきましては、日本証券クリアリング機構のウェブサイトをご覧ください。

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