北浜博士のデリバティブ教室

堂島米会所と帳合米取引

中之島さん ここが堂島米会所ね。たくさんの人が取引しているわ。
北浜博士 江戸時代、各藩のお殿さまたちはお百姓から年貢として、お米を徴収していたんじゃ。そうしたお米を取引する場としてできたのが、堂島米会所じゃな。
中之島さん ここではどんなふうにお米の取引が行われていたのかしら?
北浜博士 堂島米会所で行われていた取引は大きく分けて2つ。
1つは「正米(しょうまい)取引」という現物取引、もう1つが「帳合米取引」と呼ばれる先物取引じゃ。
中之島さん 現物取引は、今あるお米を今決めた値段で取引することよね。それは何となくわかるんだけど、先物取引は……??
北浜博士 中之島さん、お米はいつ採れるかな?
中之島さん 10月くらいね。
北浜博士 そうじゃ。お米の値段は、天候などによって常に変わっていく。お米を買いたい人、例えば餅屋さんからしてみれば、10月よりも前に買付け値段を決めてしまえた方が前もって材料費が決まるから、商売がしやすくなるんじゃよ。じゃから収穫の前、6月や7月に取引してしまおうという取引が生まれたんじゃ。
中之島さん なるほどー、将来とれるお米をあらかじめ取引しておくのが帳合米取引なのね。でも、天候でお米の値段が変わるのは、現物取引も同じよね……?
北浜博士 いいところに気付いたな、中之島さん。では、先物価格と現物価格の値段を比べてみよう。