新規上場会社の適格性の維持

上場審査部の業務内容

会社が発行する株式が上場すると、その株式は金融商品取引所で売買されることとなり、不特定多数の投資者が自由に取引を行うことができるようになります。このため、売買の対象となる株式の発行者である上場会社には、投資者からの信頼を確保できる体制であることが求められることとなります。日本取引所自主規制法人(以下「JPX-R」という)では、投資者の信頼性確保の観点から、上場適格性を一定の品質基準(上場審査基準)に基づき審査を行っています。

上場審査基準には形式基準と実質基準があります。

上場申請後の流れの図

なお、JPX-Rでは、本則市場(市場第一部・市場第二部)・マザーズ・JASDAQの新規上場審査のほか、市場第二部から市場第一部への一部指定審査、マザーズ・JASDAQから本則市場への市場変更審査も行っております。また、REIT、ETFなど株式以外の金融商品の上場についても審査を行っています。上場審査基準には形式基準と実質基準があります。

上場審査の流れ

ここでは本則市場への新規上場までの流れをご紹介します。
株式が上場されるということは、多くの人々の投資対象物件となることを意味します。上場会社には、投資者から得た資金を有効に活用して安定的に利益を生み出す状況にあるか、法令遵守をはじめとした適切な事業運営を行える体制が整備されているか、投資者が適時適切に投資判断を行えるよう適時開示や決算が行える体制にあるかなど、投資者保護の観点から、上場会社としての一定の適格性が求められます。

したがって、上場を希望する会社は上場申請前に収益基盤の確立・強化や社内管理体制の整備など、上場後、上場会社として果たすべき役割を行える会社となるための準備を行います。準備を進めるに当たっての主体はあくまで上場希望会社となりますが、上場申請の提出書類である推薦書を作成する主幹事証券会社や、財務諸表等の監査を行う公認会計士(監査法人)の指導・指摘を受けながら進めていくこととなります。

上場申請までの流れの図
 

上場申請に向けた準備において、様々な外部機関と契約を結び指導等を受けることになりますが、主幹事証券会社と監査法人からの指導等はとりわけ重要です。
上場までの間に主幹事証券会社の役割は数多くありますが、上場申請準備段階では主幹事証券会社の公開引受部などのコンサルティング部門が資本政策や社内体制整備のアドバイスを行います。一通り準備が整ったら、コンサルティング部門とは別の審査部門が客観的な立場で審査を行います。審査部門は、上場に当たって主幹事証券会社が取引所に対して上場を申請しようとする会社の推薦書作成のための審査や、上場に当たっての公募・売出し等を引受けるための会社内容の審査(引受審査)などを行います。
監査法人は取引所が定める有価証券上場規程に基づき提出される財務諸表等について監査意見を表明するとともに、申請希望会社の会計処理及び内部管理体制などの改善すべき点の指摘も行います。監査法人からの指摘を踏まえて改善を行い、2決算期分の財務諸表について監査で「適正」意見をもらわなければ、上場申請することができません。
このように、主幹事証券会社と監査法人の指導等は上場申請においてとても重要なものとなっているので、適切に対応して準備を進めることが必要です。

 
新規上場に係る関係者の図
 

JPX-Rでは形式基準及び実質基準への適合状況を、申請会社が作成した申請書類や申請会社へのヒアリング・面談により確認します。また、実際に申請会社の本社や重要な事業拠点に審査担当者が赴いて、実地調査も行います。
審査の最終段階では、申請会社の社長と面談を行い、現状の事業環境や今後の展開、コーポレート・ガバナンスについての見解などを伺います。また、監査を行った公認会計士や監査役と面談を行います。

上場申請後の流れの図
 

ここでは本則市場への新規上場までの流れを簡単にご紹介しました。詳細や他市場への新規上場までの流れは下記のリンクをご参照ください。

新規上場ガイドブック(市場第一部・第二部編)
新規上場ガイドブック(マザーズ編)
新規上場ガイドブック(JASDAQ編)