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金融リテラシーを学ぶ理由とは?求められる3つの背景をわかりやすく解説

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学習指導要領が改訂されて、学校で金融リテラシーを学ぶ機会が増えてきました。では、なぜ学生の頃から学ばなければならないのでしょうか?本記事では、金融リテラシーを学ぶ理由を3つ紹介します。

なぜ学生が金融リテラシーを学ぶの?

2022年4月から 学習指導要領(国が学校の教育内容の基準を定めたもの)が改訂されことにより、高校で学ぶ金融経済教育の内容が広がりました。金融経済教育は、金融リテラシー(金融に関する知識)を身につけるための教育のことです。
学生の頃から、金融リテラシーについて学ぶ理由は、主に以下の3つです。

1.ライフスタイルの多様化
2.金融環境の変化
3.成年年齢の引き下げ

ここから、3つの理由を詳しく解説します。

理由1. ライフスタイルの多様化

ライフスタイルが多様化していることは、金融リテラシーを学ぶ理由のひとつです。ライフスタイルの意味や、金融リテラシーとの関係について解説します。

ライフスタイルって何?

もともと、英語のライフスタイル(lifestyle)は、生活様式を意味する言葉です。一般的に、それぞれの個人の生き方を指すときに、ライフスタイルという言葉を使います。
今までは、高校や大学などを卒業して会社に入り、年齢が上がると給料も上がり、定年まで同じ会社で勤めるのが日本のライフスタイルとして一般的でした。また、男性が会社で働いて家族を養い、女性は専業主婦として家を支えるという考え方がありました。
しかし、近年は転職(同じ会社に定年まで勤めず、別の会社で働くこと)する人や共働き世帯(男性も女性も働く家庭のこと)の割合が増えるなど、ライフスタイルが変わり始めています。「好きな仕事に専念する」「結婚して家族との時間を重視する」など、その人を取り巻く環境や目標に応じてさまざまなライフスタイルを選択できるでしょう。

なぜライフスタイルが多様化すると金融リテラシーが必要?

ライフスタイルが多様化したことで、会社に依存しない働き方を選択する人も増えています。会社に依存しない働き方を選ぶ場合、よりお金のことを考えなければならないため、金融リテラシーが必要です。
たとえば、会社勤めの場合、会社が代わりに税金を納める手続きをします。それに対し、特定の会社に所属しない働き方(フリーランス)を選択する場合、自分で納める税金の計算や手続きをしなければなりません。
また、会社勤めの場合は定年時に退職金を受け取れるのに対し、会社に所属していないと退職金がないため、自分で老後の蓄えを考えなければならないでしょう。

理由2. 金融環境の変化

近年、金融環境が大きく変化したことも、金融リテラシーを学ぶ必要がある理由です。金融リテラシーを身につけていなければ、知識をアップデートして新しい金融環境に対応させることが難しいでしょう。
ここでは、金融や金融環境について解説します。

金融って何?

簡単に言うと、金融はお金の余っている人とお金の不足している人の間の貸し借りのことです。一般的に、お金を借りる人は、お金を貸す人に対して利息(りそく、お金を借りる際の手数料のこと)を支払わなければなりません。
実は、皆さんがお小遣いやお年玉を預けている銀行も、金融を実施する団体(金融機関)のひとつです。おそらく、預けている銀行から毎年利息(利子)を受け取っているのではないでしょうか。

具体的にどのように金融環境が変わったの?
数十年前は、銀行に預けたときの金利(預けた金額に対して受け取る利子の割合)が1%を超えていたため、物価(モノやサービスの値段)が上がってもある程度対応できました。しかし、2023年8月現在、預金金利は0.1%を下回ることが一般的なため、物価が上昇したときに対応できない可能性があります。
仮にみなさん10万円のお金を銀行に預けて満足していたとしても、少しずつ服やゲーム、カフェの値段が上昇し、2倍・3倍に上がったとすると、10万円では足りないと感じるのではないでしょうか。
銀行に預ける以外の方法で金融環境の変化に対応するためには、株や投資信託など他の金融商品を検討しなければなりません。そして、自分にとって適切な金融商品を選択するためには、金融リテラシーが必要です。

理由3. 成年年齢の引き下げ

成年年齢が引き下げられたことも、学生の頃から金融リテラシーを学ばなければならない理由です。成年年齢の引き下げについて、詳しく解説します。

成年年齢の引き下げとは?

成年年齢とは、親の同意を得なくても自分の意思でさまざまな契約をできるようになる境目の年齢のことです。明治時代以降およそ140年間、日本では20歳が成年年齢でしたが、2022年4月1日から18歳に引き下げられました。
ただし、成年年齢が引き下げられても、飲酒や喫煙、競馬ができるのはこれまで同様20歳からです。

成年年齢の引き下げで何が変わるの?
成年年齢引き下げに伴い、高校生でも18歳になると自分ひとりでクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりできるようになります。アパートやマンションを借りる賃貸借契約も自分で結べるでしょう。
しかし、その分義務も負うことを理解しておかなければなりません。よくわからずに契約して、トラブルに巻き込まれるケースも報告されています。
知識不足で自分に不利な契約を結ばないためにも、金融リテラシーが必要です。

参考:政府広報オンライン「18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。」

金融リテラシーを身につけるメリットとは?

金融リテラシーを学ぶ3つの理由を踏まえ、身につけるメリットを以下にまとめました。

●経済的に自立することで、多様なライフスタイルを選べる
●金融環境の変化に対応するため、資産形成(資産を増やすために貯蓄や投資をすること)できるようになる
●18歳になり自分で契約を結ぶ際に、詐欺の被害にあう可能性を減らせる

このように、金融リテラシーを身につけるメリットはいくつもあるため、学生の頃から少しずつ身につけていくようにしましょう。

金融リテラシーを身につけて快適な暮らしを送ろう

近年、学校で金融リテラシーを学ぶようになりました。ライフスタイルの多様化や金融環境の変化、成年年齢の引き下げが、学生の頃から金融リテラシーを学ぶ理由です。
金融リテラシーを身につけることには、さまざまなメリットがあります。少しずつ金融リテラシーを身につけて、大人になってから快適な暮らしを送れるようにしましょう。

参考:政府広報オンライン「「金融リテラシー」って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力」

参考:金融庁「中学生・高校生のみなさんへ」

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