オプション取引について

株価指数オプション取引の契約から満期までの流れに沿って説明しましょう。

取引開始から終了までの流れ

株価指数は抽象的な「数値」であるので、指数そのものを受渡しすることができません。
そこで、現実の指数とあらかじめ定められた値段との差額の授受を行うことで、その決済が行われます。このように、差額を授受することによって決済することを「差金決済」といいます。
また、あらかじめ定められた値段のことを「権利行使価格」といいます。
オプション取引を行ってから、「反対売買」(転売・買戻し)、または「最終決済」によって決済を行いますが、決済を行っていないものを「未決済約定」といい、未決済約定の数量を「建玉(たてぎょく)」といいます(決済方法については、「決済方法」の項を参照)。
満期までに、買いの建玉は転売、売りの建玉は買戻しをする反対売買によって決済でき、満期までこれらの決済を行わなかった場合は、最終決済により権利行使又は権利放棄が行われます。

オプション取引のタイプ

オプション取引には、期間中の権利行使の可否により2つのタイプがあります。

アメリカンタイプ
満期までの間いつでも権利行使できる
ヨーロピアンタイプ
満期を迎えないと権利行使できない

大阪取引所の株価指数オプション取引はヨーロピアンタイプですので、満期を迎えないと権利行使はできません。また、権利行使は各限月取引の取引最終日の翌日にのみ可能です。

  • 大阪取引所の長期国債(JGB)先物オプション取引はアメリカンタイプ、金先物オプション取引はヨーロピアンタイプ。

自動権利行使

オプション取引では、満期の時点で買い手にとって「本質的価値」がある(原資産価格と権利行使価格の差額がプラスになる)場合、自動的に買い手が権利の行使をしたものとみなされます。これを一般的に「自動権利行使」といいます。
ただし、本質的価値があっても手数料や税金等により、権利行使しないほうが良いと判断した場合、その旨を申告すれば権利を放棄することができます。

コールオプションの場合

また、本質的価値がない場合は、自動的に権利放棄となり、権利行使の申告もできません。

  本質的価値がある 本質的価値がない
コールオプション 権利行使価格<現実の指数 権利行使価格≧現実の指数
プットオプション 権利行使価格>現実の指数 権利行使価格≦現実の指数

権利放棄

満期日に、権利行使価格よりも現実の指数が上回り、買い手の利益が見込めない場合、権利の放棄を行います。

権利放棄したらどうなるの?
 

※長期国債(JGB)先物オプションは、差金決済ではなく、権利行使日の取引終了時刻に先物取引が成立します。
長期国債(JGB)先物オプション取引の具体例