オプション取引について

反対売買による決済

当初行った取引とは反対の取引を行うことで取引最終日までに決済する方法です。買い建てた投資家は売り(転売)、売り建てた投資家は買う(買戻し)ことで決済を行います。

ここでは、日経平均株価(日経225)を原資産とする日経225オプションを例に、損益の計算方法と合わせて説明します。

例:買建ての場合(転売による決済)

日経225オプションを150円のプレミアムで1枚買ったら、170円に値上がりしたので転売した。

損益=(転売した値段 - 買った値段) × 取引単位 × 数量
=(170円 - 150円) × 1,000 × 1枚 = 2万円

→この結果、2万円の利益になります。

例:売建ての場合(買戻しによる決済)

日経225オプションを150円のプレミアムで1枚売ったら、170円に値上がりしたので買い戻した。

損益=(売った値段 - 買い戻した値段) × 取引単位 × 数量
=(150円 - 170円) × 1,000 × 1枚 = -2万円

→この結果、2万円の損失になります。

  • 日経225オプションの取引単位は、オプション価格の1,000倍となります。
  • 上記計算例においては、取引に係る手数料及び税金は含んでおりません。

SQ値による決済

権利行使

取引最終日までに反対売買で決済しなかった場合で、満期日(日経225オプションは各限月の第2金曜日)に買い手に利益が生じる状態のとき(「イン・ザ・マネー」といいます。詳細は「プレミアム」の項を参照)、買い手は権利行使価格とSQ値との差額を受け取ることができます。

例1:コールオプションの場合

日経225オプション コール権利行使価格15,000円を200円のプレミアムで1枚買い、SQ日まで保有した結果、SQ値が15,400円になった。

損益=(SQ値 - 権利行使価格) × 取引単位 × 数量 - 支払いプレミアム
=(15,400円 - 15,000円) × 1,000 × 1枚 - 200円 × 1,000 × 1枚 = 20万円

→この結果、20万円の利益になります。

  • 売り建てた場合は、権利行使を受けるため、20万円の損失になります。

損益=(権利行使価格 - SQ値) × 取引単位 × 数量 + 受取プレミアム
=(15,000円 - 15,400円) × 1,000 × 1枚 + 200円 × 1,000 × 1枚 = -20万円

例2:プットオプションの場合

日経225オプション プット権利行使価格15,000円を150円のプレミアムで1枚買い、SQ日まで保有した結果、SQ値が14,800円になった。

損益=(権利行使価格 - SQ値) × 取引単位 × 数量 - 支払いプレミアム
=(15,000円 - 14,800円) × 1,000 × 1枚 - 150円 × 1,000 × 1枚 = 5万円

→この結果、5万円の利益になります。

  • 売り建てた場合は、権利行使を受けるため、5万円の損失になります。

損益=(SQ値 - 権利行使価格) × 取引単位 × 数量 + 受取プレミアム
=(14,800円 - 15,000円) × 1,000 × 1枚 + 150円 × 1,000 × 1枚 = -5万円

  • 上記計算例においては、取引に係る手数料及び税金は含んでおりません。

権利放棄(権利消滅)

取引最終日までに反対売買で決済しなかった場合で、満期日(各限月の第2金曜日)にイン・ザ・マネーにならなかった場合、買い手は権利放棄(消滅)することができます。この場合、オプション購入代金(支払いプレミアム)が損失になります。

例:コールオプションの場合

日経225オプション コール権利行使価格15,000円を200円のプレミアムで1枚買い、SQ日まで保有した結果、SQ値が14,800円になった。

損益=(SQ値 - 権利行使価格) × 取引単位 × 数量
=(14,800円 - 15,000円) × 1,000 × 1枚 = -20万円 (権利放棄)
支払いプレミアム = 20万円

権利行使しても利益にならないため権利放棄(権利消滅)となり、支払いプレミアム20万円(200円 × 1,000)の損失になります。

  • 売り建てた場合は、権利行使を受けないため、受取プレミアム20万円(200円 × 1,000)の利益になります。
  • 上記計算例においては、取引に係る手数料及び税金は含んでおりません。

例:プットオプションの場合

日経225オプション プット権利行使価格15,000円を150円のプレミアムで1枚買い、SQ日まで保有していったら、SQ値が15,200円になった。

損益=(権利行使価格 - SQ値) × 取引単位 × 数量
=(15,000円 - 15,200円) × 1,000 × 1枚 = -20万円 (権利放棄)
支払いプレミアム = 15万円

→権利行使しても利益にならないため権利放棄(権利消滅)となり、支払いプレミアム15万円(150円 × 1,000)の損失になります。

  • 売り建てた場合は、権利行使を受けないため、受取プレミアム15万円(150円×1,000)の利益になります。
  • 上記計算例においては、取引に係る手数料及び税金は含んでおりません。
 

※長期国債(JGB)先物オプションは決済方法が異なります。