北浜博士のデリバティブ教室

デリバティブの種類

デリバティブとは、日本語で「派生的な」という意味ですが、デリバティブ取引も文字どおり、株式や債券、通貨、農作物、エネルギーなどの現物(原資産)から「派生した」取引という意味です。

デリバティブ取引は大きく分けて先物取引、オプション取引、スワップ取引があります。

デリバティブの種類

先物取引

現時点で取り決めた値段で将来売買する約束をするのが先物取引です。

先物取引には、トウモロコシや金、ガソリンなどの商品を対象にしたものや、金利、為替、国債や株価指数など金融商品を対象にしたものなど多くの種類があります。

先物取引

先物取引の具体例

1年後に発売する価格がまだ決まっていないパソコンを、現時点で、20万円で買う約束をします。1年後に販売価格が22万円に決定した場合、市場では22万円で販売されますが、先物の買い手は約束どおり20万円で買うことができます。(22万円-20万円→2万円の利益)
反対に、販売価格が18万円になった場合、市場では18万円で販売されますが、先物の買い手は約束どおり20万円で買わなければいけません。(18万円-20万円→2万円の損失)

先物取引の具体例

オプション取引

将来、特定の値段で「買い付ける権利」あるいは「売り付ける権利」を売買するのがオプション取引です。
オプションは権利ですので、買い手は自分に都合が良い場合だけ利用するという選択ができます。一方、売り手は買い手が権利行使をした場合に応じる義務があります。

特定の価格で買うことができるオプションのことをコール(コール・オプション)といい、特定の価格で売ることができるオプションのことをプット(プット・オプション)といいます。

オプション取引

オプション取引の具体例

1年後に発売する価格がまだ決まっていないパソコンを20万円で「買える権利」を、現時点で、500円で購入します。
1年後に販売価格が22万円に決定した場合、市場では22万円で販売されますが、オプションの買い手は権利を行使して20万円で買うことができます。(22万円-20万円-500円→1万9,500円の利益)
反対に、販売価格が18万円になった場合、市場では18万円で販売されますので、市場で買った方が得です。従って、20万円で買える権利を放棄します。(権利購入時に支払った500円が損失)

オプション取引の具体例

スワップ取引

スワップとは、等価値のものを交換するという意味で、2者間で同じ価値をもつ「将来の一連のお金の流れ」を一定期間交換する取引のことを言います。スワップ取引の一例として、同じ通貨で異なるタイプの利息(例えば、固定金利と変動金利、長期金利と短期金利)を交換する金利スワップなどがあります。