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東京株式取引所新年宴会プログラム

東京株式取引所新年宴会のプログラム大正11年(写真左)、東京株式取引所新年宴会のプログラム大正10年(写真右)

写真左は、大正11年1月23日に開催された東京株式取引所新年宴会のプログラムです。写真右も、大正10年1月22日に開催された同様のものです。

このプログラムは、なかなか色鮮やかでしゃれたものですが、当時は、年初にこうした宴会を催し、喜劇、狂言、能などを楽しんでいたようで、歌舞伎俳優の“市川猿之助”などが舞台を務めることもありました。さて、この新年宴会、一体どこで開催されたのでしょうか。昭和初期にある古老が綴った『株界源平盛衰記』では、当時の様子を次のように描いています。

東京株式取引所新年宴会のプログラム大正11年 目次

「毎年新年宴會には朝野の名士を招いて盛宴をはるのが恒例だったが、株界の發展につれて段々招客の範圍が廣くなり、収容場所がなくなった關係から市場内で園遊會を催したものだ…土曜の引後町の鳶が入つて一夜にして能舞臺を設け、模擬店を造り、植木を入れ砂利を敷き、一流の料理が入り、平素出入りの料亭接待の女将連が新柳二橋を始め帝都一流花街の藝者を引き具しての接待、餘興は観世か寶生の能のあとが菊五郎の踊りなど一流藝能人の出演…これが當日一日でまた一夜にして市場を舊體に復して翌日は平素と同様に立會が行われる。」

下の写真は、その当時、新年宴会に使用された舞台ですが、見るからに本格的な舞台のようです。

東京株式取引所新年宴会 舞台

このプログラムのほかに、大正8年1月26日に新年宴会を開催したときの「会場案内図」も証券史料ホールに展示していますが、舞台、観客席、模擬店など、宴会場がどのようにレイアウトされていたのか知ることができます。