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東京株式取引所創立50周年祝賀会

東京株式取引所創立50年祝賀会の様子

上の写真は、昭和3年9月30日に開催された東京株式取引所創立50年祝賀会の様子を撮影したもので、来賓のあいさつが行われているところです。

左下は、その「会場案内」で、右下は、祝賀会の余興として行われた能「紅葉狩」のプログラムです。

東京株式取引所創立50年祝賀会 会場案内(写真左)、東京株式取引所創立50年祝賀会 紅葉狩プログラム(写真右)

この祝賀会は、当時のお金にして総工費270万円を投じて新たに建設されたギリシャ古典式の市場館(旧市場館)で開催され、当時の田中義一内閣総理大臣をはじめ、商工大臣、鉄道大臣、司法大臣といった要人を招き、総勢1,500人の関係者が出席する中、盛大に執り行われました。祝賀会では多年にわたり営業を継続した会員証券会社及び取引所役員の表彰が行われたほか、立会場内に舞台を作り、能のほか喜劇「結婚反對倶樂部」、常盤津(浄瑠璃の一種)「雷と仙頭」 が行われ、これら芸者集の踊りが祝賀会に華を添えたと言います。

当時の岡崎第11代理事長はこの50年間を振り返り、「我國ノ經濟界ヲ囘顧スルニ多クノ變遷アリ。我取引所モ亦幾多ノ波瀾ヲ重ネ、幾多ノ難局ニ當レルモ、所謂一難ヲ經ル毎二一倍ノ生長ヲ見ルヲ得タリ…取引所ハ國民生活トノ關係極メテ密接トナリ、自ラ取引所ヲシテ國民共通ノ公共機關タラシメントス。故二取引所ハ昔時ノ所謂相場師ノ輸贏壇場ニアラズシテ、今ヤ國民生活ノ必要機關トシテ天下ノ廣居ニ立チ、天下ノ大道ヲ行クベキモノ、經濟界ノ中樞機關トシテ財界ノ中央ニ正坐スベキモノトナリ…昭和二年以來、世界ノ大取引所二十箇所トノ聨絡ヲ計リ、既ニ其十七箇所ヨリ熱心ナル贊同ヲ得、諸種文書ノ交換往復ヲ實施シテ、我取引所ノ權威ヲ重カラシメツツアリ」(東京株式取引五十年史)と述べています。