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杉原杏璃さんがOSEの山道社長に聞く!
先物・オプションの魅力

対談 山道裕己 × 杉原杏璃

人気タレントで株式投資でもキャリアと高実績を誇る杉原杏璃さんは、デリバティブ取引に興味津々。大阪取引所の山道裕己社長から、その魅力や活用法について教わりました。

株価指数先物取引は今年で30周年の節目を迎えた!

杉原
大阪取引所の株価指数先物の取引がスタートしてから、今年でちょうど30周年の節目を迎えるそうですね。株価指数先物にそんなに長い歴史があるなんて、初めて知りました。

山道
ええ。ちょうど30年前の1988年に大阪証券取引所(現・大阪取引所)で「日経225先物」、東京証券取引所で「TOPIX先物」の取引が始まりました。その直後は投資家層がまだ薄く、かなり限られた人たちの間での取引にとどまっていました。また、当時はバブル経済がピークを迎えつつあった頃合いで、その後には“失われた20年”と呼ばれた長期低迷が訪れます。しかし、その中で先物取引は次第に定着していきました。
そして、我々も個人投資家のみなさんにもっと気軽に取引していただくために、従来の先物取引を小口化した「日経225mini」や「ミニTOPIX先物」を導入しました。さらに最近ですと、「JPX日経インデックス400」や「東証マザーズ指数」を対象とした先物や、「NYダウ」などの海外株価指数先物の取り扱いも始め、商品ラインナップを拡充してきました。一方で夜間の取引時間も段階的に延長し、より取引しやすい環境を整えた結果、さまざまな投資家が株価指数先物を活発に取引するようになったというのがこれまでの歴史ですね。

杉原
株価指数先物を取引している人たちの中で、個人投資家はどの程度の割合なんですか?

山道
日経225miniは日経225先物(ラージ)の取引単位を10分の1に小口化したものですが、こちらのケースで見ると、2017年の個人投資家のシェアは取引金額ベースで約20%に達していますね。東証1部の売買代金における個人投資家のシェアは約15%で、それを上回る水準に達しているわけです。

杉原
へぇー、想像していた以上に多くの個人投資家が取引しているんですね。

山道
今ではほぼすべてのネット証券が日経225miniを取り扱っていて、個人投資家にとって非常に身近な存在となっていますから。それに、株式市場の取引時間が終了した後も16時30分〜翌朝5時30分まで取引できるので、欧米市場の動きにも対応できます。そういった利点に注目して、日経225miniの取引を始める個人投資家が増えているようです。

株価指数先物の推移を見れば現物株の動きも予測できる!?

杉原
これまで私は、現物株の個別銘柄を中心に売買してきました。でも、「先物を知ることが個別銘柄の売買にも役立つから、ぜひ始めたほうがいい」と投資の先輩方からよくアドバイスされます。なぜ、先物を知っておいたほうがいいのでしょうか?

山道
まず、現物株の個別銘柄にはないメリットを享受できることがその理由の一つでしょう。日経225先物や日経225miniは、いわゆる日経平均株価という指数そのものを取引できるので、マーケット全体の動きを捉えられます。また、先物なのでレバレッジを効かせられ、限られた資金を有効活用して効率的に収益を追求できます。
そして、もう一つの理由としては、先物に価格発見機能が備わっていることが挙げられます。
数多くの投資家がレバレッジを効かせて大量の取引を行っていることで、価格形成がこなれてきて妥当な相場水準に収れんしやすいのです。「先物主導で云々」といった報道をよく見聞きしますが、先物が現物株に先んじて動くのは当たり前の話なんです。先物の動きは、いち早く相場の方向性を指し示すものなのです。

杉原
ということは、先物の推移を見ておけば、現物株の動きも予測できるということですか。

山道
例えば、早朝5時30分に日経225先物でつけた値段が前営業日の終値と比べて高いか安いかによって、その日の相場がおおよそどのように動くのかを推察する投資家もいます。特に最近では海外のニュースで相場が動くケースが多いですから、日経225先物をはじめとするデリバティブ取引が重要な役割を担ってきます。海外のマーケットが開いている時間帯に取引できる日本株関連の金融商品は、デリバティブだけに限られてくるのです。

杉原
なるほど! 米国などで株価の急落につながるニュースが飛び出した場合も、早朝5時30分まで取引できる先物を用いれば、現物株のリスクヘッジができるということですか。だとすれば、先物の動きをちゃんと見ていないのはもったいないということですね。

山道
時間帯別の取引高状況を見ても、日中の8時45分〜15時15分が約6割で、16時30分〜翌朝5時30分が約4割となっています。深夜早朝の時間帯も含まれているにもかかわらず商いが活発で、取引高も相当な規模に達しています。

リスクを限定させて堅実に利益を狙えるのがオプション取引の強み

杉原
あえて株価指数先物のデメリットを挙げるとしたら、どんなことがあるのですか?

山道
レバレッジを効かせて効率的に利益を追求するので、逆に言えば、損失を被った場合の振れも大きくなってしまいますね。過度にレバレッジを効かせすぎると、それだけリスクも高くなるということです。
とはいえ、先物は売りからも取引をスタートでき、下げ相場で収益を上げられるのも強みです。信用取引でもそれは可能ですが、「信用売りは貸株料や逆日歩といったコストが高いので、その点では先物の利便性が高いという声を様々な投資家から聞きます。

杉原
レバレッジに関してはリスク管理が必要になるみたいですけど、下げ相場にも対応できるのは大きなメリットですね。

山道
これだけ世界中でデリバティブ取引が活発に行われているのは、デメリットよりもメリットのほうがはるかに大きいことの証しだと思いますよ。

杉原
実は私、大阪取引所が提供していた「オプションズバー」という番組に出演させていただいたことがあります。その際にも勉強したのですが、一般的にはオプション取引は複雑で、なかなか理解しづらいというイメージがあると思います。

山道
一見、難しそうに思えるかもしれませんが、使い方次第でリスクを限定できます。たとえば、コール(買う権利)とプット(売り権利)のどちらも買いから入ると、プレミアム(オプション価格)を負担することにはなるものの、それ以上の損失が発生することはありませんし、思惑と違えば反対売買も可能です。しかも、期待通りに相場が動けば動くほど、得られるリターンは大きくなっていくのです。
一方、カバードコールという戦略を用いれば、リスクを限定して堅実に利益を追求できます。現物株で買った銘柄に、コールの売りも入れておくという手法です。そうすれば、現物株における一定以上の値上がり益を放棄する代わりに、着実にオプションのほうでプレミアムを受け取ることが可能です。

初心者ならまずは保有株のリスクヘッジに活用

杉原
私が出演した番組の中でも相場環境に応じたオプション取引の利用方法について、いくつか紹介いただいたのですが、オプション取引の初心者としては、どういったところから始めてみるのが無難ですか?

山道
確か、杉原さんは現物株を中心に売買されているとおっしゃっていましたね。

杉原
ええ。中長期スパンのものも含めて、十数銘柄を保有しています。新興市場の銘柄とかも、わりと売買するほうですね。

山道
だとしたら、個別銘柄を対象としたオプションもありますから、まずは保有株のリスクヘッジに活用するといいでしょう。たとえば、下げ相場になりそうな局面で、保有株のプットを買っておくのです。あるいは、ボックス相場が続きそうな局面では、先程の話にも出てきたカバードコール戦略が非常に有効です。

杉原
それは心強いですね。じゃあ、すぐに実践するためにも、デリバティブを勉強しなきゃ!

山道
大阪取引所では、ネットなどを通じてデリバティブ取引について学べる「北浜投資塾」というサイトの中でさまざまなコンテンツを提供していますから、ぜひ活用してください。