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オプション取引とは

「オプションメニュー」や「オプショナルツアー」など、オプションと聞くと追加サービス的なイメージがあります。では、金融市場でオプションを取引するとはどういうことでしょうか。

一般的にオプション取引とは、

1.将来の予め定められた期日に
2.特定の商品(原資産)を
3.現時点で取り決めた価格で売買する「権利」

の取引です。

先物取引との違い

オプションは権利の取引

先物取引が、売買の契約なのに対しオプション取引は権利の取引になります。例えば、パソコンのニューモデル(価格未定)の購入にあてはめてみましょう。先物取引が来年ニューモデルを20万円で購入する予約をするのに対し、オプション取引の場合はニューモデルを20万円で購入できる「購入券」を500円で買うイメージです。仮に、パソコンの価格が17万円に決定しても、先物(予約)なら20万円で買わなくてはなりませんが、オプション(購入権)は、その権利を放棄して、現在の市場で17万円で買うという選択をすることができます。

※ 実際のオプション取引には券面等がありません。

オプション取引には4つの立場がある

オプション取引は2つの種類があります。

コール・オプション = 買うことができる権利
プット・オプション = 売ることができる権利
さらに、それぞれのオプションについて、売り手と買い手がいるので、オプションの売買には4つの立場があります。

コール(買う権利) プット(売る権利)
買い手 コールの買い
買う権利の保有者
(行使か放棄を選択)
プットの買い
売る権利の保有者
(行使か放棄を選択)
売り手 コールの売り
買う権利の付与者
(売る義務を負う)
プットの売り
売る権利の付与者
(買う義務を負う)

コールもプットも買い手は権利行使するか放棄するか自由に選択できますが、売り手は買い手の意思に従う義務を負うことになります。

オプションの買い手の特徴

「先物の買い」も「オプションの買い」も思惑通りにいった場合、オプションがプレミアムの分だけ利益が少なくなることを除けば、ほぼ同じように利益が出ることになります。
一方で、思惑が外れた場合は、損失額に違いが出てきます。「先物の買い」と違い「オプションの買い」は、権利を放棄することができるため、損失は最初に支払った購入代金(プレミアム)に限定されます。また、損失が限定されるため、買い手には証拠金が発生しません。従って、買い手は追加で証拠金を収めることもないため、資金を計画的に運用することができます。

例えば、「10,000円で買える権利」を300円で買います。原資産の価格が8,000円になってオプションの権利を使うメリットがない場合には、買い手は権利を放棄することができます。この場合、買い手の損失は最初に支払った300円に限定されます。逆に、原資産の価格が、12,000円になった場合、権利行使をし、2,000円の利益を得ることができます(はじめに支払ったプレミアム300円を考慮すると1,700円の利益)。

オプションの売り手の特徴

オプションの売り手は買い手と逆で、無限大に損失が拡大する可能性があります。従って、売り手は証拠金が必要になります。売り手は買い手から受け取った代金(プレミアム)を証拠金に充当したり、再度、運用資金として利用することができます。また、原資産の価格が動かないまたは多少思惑が外れて損失がでることになった場合でも、プレミアム分より損失が少なければ、利益を追求することができます。

例えば、「10,000円で買える権利」を300円で売ります。原資産の価格が8,000円になって買い手が権利を放棄すれば、売り手は300円が利益となります。逆に、原資産の価格が12,000円になった場合、買い手に権利を行使され、2,000円の損失が発生します(はじめに受け取ったプレミアム300円を考慮すると1,700円の損失)。