マーケットニュース

2014/05/15 東証 上場契約違約金及び改善報告書の徴求について-日本アセットマーケティング(株)-

以下のとおり、上場契約違約金及び改善報告書の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

1.会社名 日本アセットマーケティング株式会社
(コード:8922、市場区分:マザーズ)
2.上場契約違約金金額 1,000万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第1号
(当取引所が、開示を行う場合の遵守事項に違反したと認める場合であって、当該上場会社が、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められたため)
3.改善報告書提出期限 平成26年5月29日(木)
  条文 有価証券上場規程第502条第1項第1号
(開示を行う場合の遵守事項に違反したと当取引所が認める場合において、改善の必要性が高いと認められるため)
4.理由 日本アセットマーケティング株式会社(以下「同社」という。)は、平成26年3月28日、不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書及び過年度の決算訂正の概要を開示し、同年4月24日、過年度の決算短信等の訂正を開示しました。
これらにより、平成24年3月期の連結売上高が100百万円を下回ることで、マザーズの売上高に係る上場廃止基準への抵触が懸念される状況の中、同社が決算期末直前に実施した40百万円のソフトウェア販売において、当該販売に係る仲介業者には役務提供の実態がなく、また、同社が受領した販売代金から仲介業者へ支払った20百万円の手数料の大半が販売先へ即日還流していたことから、売上高が過大に計上されており、平成24年3月期の同社連結売上高は103百万円ではなく、83百万円であったことが明らかとなりました。
本件の原因行為は、事業運営の体制が脆弱な同社において、権限が過度に集中していた当時の代表取締役が、少なくとも本件の会計処理が不適切であることを容易に認識可能であったにも関わらず、上場維持を図るために実行したものであり、コンプライアンス意識の著しい欠如が認められました。更に、当時の社内規程では新規取引先との契約締結が稟議の対象となっておらず、本件について重要な会議体で決議・報告されることもありませんでした。加えて、監査役監査及び内部監査も十分には機能していませんでした。
一方で、同社は、平成25年3月の他社との資本業務提携以降、当時の役員は全て退任し、従業員も大幅に増員されているほか事業内容も大きく変更されている状況にあります。
これらを総合的に勘案すると、本件は、同社の適時開示を適切に行うための体制の不備に起因して過去に上場廃止基準に抵触していたこととなる不適切な開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められることから、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求め、これを公衆縦覧することが適当であると判断しました。
また、本件は、同社の当時の代表取締役が上場維持を図る目的で、不適切な売上計上であることを少なくとも容易に認識可能な状態であったにもかかわらず、これを行ったものであり、本件の訂正自体の規模が限定的であるとしても、訂正の結果、平成24年3月期において上場廃止基準に抵触していたことを踏まえると、同社の行為は当取引所市場に対する投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して上場契約違約金の支払いを求めることとします。

お問合せ

株式会社東京証券取引所
上場部ディスクロージャー企画グループ
電話: 03-3666-0141(代表)