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本日、株式会社東京証券取引所(以下「東証」という)は、富士通株式会社(以下「富士通」という)の協力のもと、株式売買システムであるarrowheadをリニューアルし、運用を開始いたしました。本リニューアルでは、arrowheadに新たにリスク管理機能を実装した他、売買制度の改善及び更なるシステム処理能力の向上を行い、市場利用者の皆様がより安心して取引できる市場を実現しています。
東証及び富士通は、幅広い市場利用者の利便性と取引の信頼性が向上した新しいarrowheadの稼働により、今後もより一層のマーケットの発展に努めます。
arrowheadは、2010年1月4日に、富士通の協力を得て、当時としては世界最高水準の高速性と信頼性を誇り稼働しました。その後、株式市場の環境が変化し、近年では、注文件数が増加し、短時間に注文が集中する傾向にあります。このような中、投資家の新しいニーズに対応するため、2012年12月にarrowheadリニューアルプロジェクトを立ち上げ、システム開発に取り組んで参りました。
新しいarrowheadは、「信頼性の向上」、「利便性の向上」及び「処理能力の向上」を基本方針として、従来のarrowheadをベースに開発したシステムです。
リスク管理機能の導入により、取引の電子化・高速化が進んだマーケットのリスクを低減します。
(リスク管理機能の詳細については、別紙1参照)
売買制度の見直しを実施して、マーケットの利便性を更に向上します。
東証は、約定値段の改善や指値注文における板での順番待ちの緩和を目的として、呼値の単位の適正化をこれまで段階的に行ってきました。具体的には、フェーズIとして2014年1月にTOPIX100構成銘柄の一部の値段帯の呼値の刻みを細かくし、フェーズIIとして2014年7月に一部の値段帯の呼値に小数点を導入しました。今般、投資家の皆様の意見等を踏まえ、フェーズⅢとして一部の値段帯について呼値の単位を変更しています。(呼値の単位の適正化による呼値テーブルの変遷は別紙2を参照)
急激に値段が変動することを防止する仕組みとして、2010年1月より連続約定気配を表示しておりますが、従来の1注文による値段変動時の表示に加え、複数注文による値段変動時にも連続約定気配を表示するように改良しています。(連続約定気配の詳細については別紙3を参照)
注文件数の急増及び短時間への注文集中時にも注文を安定的に処理できるよう、システム処理能力を向上します。
注文集中時にも安定して処理できる能力(リニューアル前の約2倍)を確保しています。
処理能力 | リニューアル前 | リニューアル後 |
注文応答時間 | 約1.0ミリ秒 | 0.5ミリ秒未満 |
情報配信時間 | 約2~2.5ミリ秒 | 1.0ミリ秒未満 |
注文件数(1日) | 1億3700万件 | 2億7000万件 |
注文件数等の増加に対応した柔軟なキャパシティ拡張を可能とします。
新しいarrowheadは、「FUJITSU Server PRIMEQUEST」、「FUJITSU Server PRIMERGY」などの高信頼・高性能なサーバ、並びに新たな高信頼化・高速化技術を組み入れたミドルウェア「FUJITSU Software Primesoft Server」等の富士通の技術力と総合力を結集して、信頼性と処理能力の向上を実現しています。(arrowheadを支える高信頼・高速化技術の詳細については別紙4を参照)
arrowheadリニューアルに関する情報については、以下のページもご参照ください。
お問合せ
株式会社日本取引所グループ 広報・IR部
電話:03-3666-1361(代表)
富士通コンタクトライン
電話:0120-933-200
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