JPXからのお知らせ

2019/01/04 JPX 年頭ご挨拶

 

明けましておめでとうございます。
日本取引所グループCEOの清田でございます。
年頭に当たり、皆様のご健勝を心よりお祝いすると共に、本年も一層のご活躍をお祈り申し上げます。

新年のご挨拶に当たり、最初に、昨年の株式市況を振り返りたいと思います。
昨年は、北朝鮮を巡る緊張が緩和される一方で、米中の貿易摩擦や、中東情勢の複雑化、Brexitの迷走など、新たな火種が警戒感を呼んだ1年でした。
株式市場では、日経平均がバブル期以来の2万4,000円台を回復した時期もありましたが、米国における株価下落の影響が世界中に広がり、年末には2万円を下回る展開となりました。

一方、国内全体のIPOは、98社と好調であり、東証と大証が統合して以来最も多い数となりました。ただ、統合から5年が経過する中、市場構造や関連する上場制度を巡り、改善すべき点が見受けられるようになっています。
そこで、昨年、外部有識者による懇談会を設置し、市場構造を巡る諸問題やそれを踏まえた今後の在り方等を検討することといたしました。皆様のご意見も踏まえながら、上場会社と投資者のニーズに応えるべく、検討を進めていく所存です。
また、近年、政府とともに、コーポレートガバナンス改革による中長期的な企業価値の向上に向けた取組みを進めて参りましたが、昨年は、改革をより実質的なものへと深化させていくため、コーポレートガバナンス・コードの改訂を実施しました。
今年も、企業による取組みが「形式」から「実質」へと深化していくよう、引き続き注力し、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上、ひいては日本経済全体の発展に寄与していきたいと考えています。

さらにJPXの取組みを振り返りますと、昨年は第二次中期経営計画の仕上げの一年として、上場デリバティブの清算システムリプレースや、売買審査業務へのAI導入、国債の決済期間短縮、ETF市場の強化、株式の売買単位統一など、様々な施策に取り組みました。
また、新しい経営課題として掲げた「ESG・SDGs」関連の施策にも積極的に取り組むとともに、積年の課題であった総合取引所についても、その実現に向けて東京商品取引所と協議を続けているところです。
引き続き緩みなく、市場基盤の維持と強化に取り組みつつ、安心してご利用いただける市場運営に努めることで、皆様のご期待に応えていきたいと思います。

最後に、今年のマーケットについて、お話しさせていただきます。
世界経済については、様々な不透明要素があるにも関わらず、昨年11月の経済協力開発機構の発表によれば、実質GDP成長率は3.5%と見込まれています。
国内では、今年は消費税の引上げが予定されており、過去の経験から景気の冷え込みを心配する声もありますが、政府から大胆な景気刺激策や減税が打ち出されていることから、極端な落ち込みは避けられるのではないかと、私は見ています。
年始早々、米国株式市場は波乱の幕開けとなっておりますが、日本企業が取り組んできたガバナンスの改善、稼ぐ力の向上を踏まえれば、今年のマーケットの見通しは決して悪くはないと思います。
5月には新しい天皇陛下が即位されます。また、秋には、日本でラグビーワールドカップが開催されます。さらに来年には、東京オリンピック・パラリンピックも控えており、日本全体が新しい気持ちで益々盛り上がっていくのではないでしょうか。
今年は亥年であり、相場の格言では「亥固まる」と言います。株価は、下値を探る場面もあるかもしれませんが、それを底値に踏み固めて、大きな飛躍へと繋がっていく、そのような1年になることを期待しております。
昨年の皆様からの温かいご支援に感謝致しますと共に、本年もよろしくご指導頂きますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。


株式会社日本取引所グループ
取締役兼代表執行役グループCEO
清田 瞭

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