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JPXからのお知らせ

2020/01/06 JPX 年頭ご挨拶

 

明けましておめでとうございます。
日本取引所グループの清田でございます。
年頭に当たり、皆様のご健勝を心よりお祝い申し上げると共に、本年も一層のご活躍をお祈り申し上げます。

新年のご挨拶に当たり、昨年の株式市況を振り返りたいと思います。
昨年は、前年から続く、米中貿易摩擦、中東情勢の複雑化、Brexitの迷走などに加え、香港情勢の悪化や日韓関係の極度の緊張など、世界情勢が混沌としていた1年でした。
一方、我が国株式市場は、年初こそ大幅安の2万円割れで始まったものの、その後すぐに2万円台を回復し、夏場まではもみ合いの展開となりました。秋口からは、アメリカの金融政策が引き締めから緩和へと転換したことを受け、世界的に株式市況は上昇基調となり、日本でも、10月の消費税増税の悪影響もあまり見られず、年末にかけては一時2万4千円台を回復するなど、年間では右肩上がりの好調な相場となり、昨年末の終値は29年振りの高値となりました。

次に、昨年の新規公開市場についてですが、IPOの企業数は94社となり、引き続き高水準を維持しております。今年も成長企業の上場が続き、市場全体の企業価値向上に向かって証券業界と共に努力していきたいと思っております。
さて、一昨年秋から続けております東証の市場構造の見直しについては、昨年末に、金融庁の金融審議会における議論の成果として、専門グループの報告書が取りまとめられました。企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を動機付け、国内外の多様な投資者にとっても魅力あふれる資本市場の構築を目指し、本日より、具体的な制度設計に取り組んでまいりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。

ここで、皆様方に昨年1年間のJPXの主な取組みについてご紹介いたします。市場関係については、昨年7月に長年の懸案であった決済期間の短縮(T+2)が実現致しました。
また、11月には、現物株式売買の基幹システム「arrowhead」のリニューアルを行いましたが、関係者の皆様の多大なご尽力のおかげで、只今まで安定的に稼働しております。
さらに昨年は総合取引所の実現に邁進した1年でもありました。東京商品取引所(TOCOM)との経営統合に関し、3月末に基本合意、7月末に最終合意に達し、TOBによってTOCOMをJPXの完全子会社に致しました。
本年7月に予定している大阪取引所への商品移管と清算機関の統合を目指して全力を尽くしてまいりますが、引き続き皆様のご支援をお願いしたいと思います。

最後に、今年のマーケットについて、お話しさせていただきます。
皆様ご承知の通り、休み中に、米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害が行われ、地政学リスクの高まりから、原油相場や為替相場が大きく揺れ動いております。本年の最大の注目イベントは、年末までは11月3日に行われるアメリカ大統領選挙だと言われていましたが、アメリカとイランの報復合戦が始まれば、戦争につながるリスクが大きくなってまいります。世界の株式市場にとっても、中東の地政学的な混乱から目が離せなくなりました。もちろん、引き続き米中摩擦の行方からも目が離せませんし、アメリカ大統領選挙の動向も重要なファクターであることは間違いありません。大きな関心を持って見守ってまいります。
また、国内では、今年はいよいよ、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。多くの海外からの旅行者に安心して来てもらえるような万端の準備と盛り上がりを期待しています。
今年は子年であり、相場の格言では鼠は「繁栄」を意味すると言われておりますので、色々なリスクを乗り越えて良い年になるよう努めてまいります。

昨年からの皆様の温かいご支援に感謝いたしますと共に、本年もよろしくご指導頂きますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

株式会社日本取引所グループ
取締役兼代表執行役グループCEO
清田 瞭

お問合せ

株式会社日本取引所グループ 広報・IR部
電話:03-3666-1361(代表)