JPXからのお知らせ
2022/01/04 JPX 年頭ご挨拶
明けましておめでとうございます。
日本取引所グループの清田でございます。
年頭にあたり、皆様のご健勝を心よりお祝いいたしますと共に、本年も一層のご活躍をお祈り申し上げます。
さて、新年のご挨拶にあたり、最初に、昨年の株式市場を振り返りたいと思います。
昨年は、一昨年から続く新型コロナウイルスの感染状況とその対応に加え、東京オリンピック・パラリンピック、自民党総裁選に続く岸田新政権の発足、そして衆議院の解散総選挙と大きなイベントが続いた1年でありました。
我が国株式市場は、年初、27,000円程度で始まり、2月には、バブル期以来となる約30年半ぶりの3万円台をつけました。
その後、春先から夏場にかけては、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、特にオリンピック期間中の第5波の急拡大により悲観的な見方が広がり、27,000円台まで下落いたしました。
その後、秋口に入り、ワクチン接種の急速な普及によるコロナ収束への動きや、岸田新政権発足への期待、堅調なNY株式市場を背景に、9月には、再びバブル後最高値を更新し、30,670円を付けました。
世界的な資源価格の上昇や新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株への警戒感はみられるものの、足元は29,000円近辺での推移と底堅い展開を続けて年末を迎えました。
また、株式の新規上場を見てみますと、年間では136社の新規上場が実現し、一昨年に引き続きリーマンショック以降の最高を更新いたしました。多くの新興企業の成長を通じて、我が国経済の活力が高まることを期待できるのではないかと思っております。
続きまして、JPXの各種の取組みについてご紹介いたします。
本年は、いよいよ4月4日から、新しい市場区分がスタートいたします。東京証券取引所においては現在の4つの市場区分を、コンセプトを明確にしたうえで、新しい3つの市場区分、「プライム」「スタンダード」「グロース」に再編いたします。
4月4日の円滑な移行に向けて、上場会社・投資家をはじめ市場関係者の皆様のご協力を頂きながら取り組んでまいります。
また、昨年は、一昨年10月1日に発生いたしましたシステムトラブルによる現物株式市場の終日売買停止の事態を受けて、再発防止とレジリエンスの向上に取り組みました。市場関係者の皆様方のご協力を頂きまして、売買再開に係るルール整備や業界を挙げた訓練の実施、さらに10月には現物の取引時間を30分延長する方針等を取りまとめさせていただきました。
一方、デリバティブ市場においては、昨年9月に新デリバティブシステムであるJ-GATE3.0が稼働いたしました。本年は、電力先物の本上場やLNG先物の試験上場の準備も進めておりますほか、9月にはデリバティブの祝日取引も開始する予定でございます。
我が国資本市場の中核を担うJPXとして、皆様が安心してご利用頂けるような市場運営に努めるとともに、我が国金融資本市場の発展、経済の成長、豊かな社会の実現に貢献すべく、取り組んでまいります。
引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
最後に、今年のマーケットについて、お話させて頂きます。
新型コロナウイルスの感染状況は、足元はかなり落ち着いてはおりましたが、今年、本格的な経済活動の再開が期待されるなか、新しい変異株への警戒を怠らず取り組んでまいりたいと思っております。もちろん、新たな変異株の出現など予断を許さない状況ではありますが、企業業績への期待と、そして全体として、コロナからwithコロナへの移行を期待したいと思います。
欧米では、こうしたコロナからの経済回復や原油価格等の高騰を受けてインフレ懸念が高まってきており、中央銀行の金融政策は引き締めに転じつつあります。米中対立などの地政学リスクと併せて、マーケットにどう影響するのか、目が離せないポイントになると思われます。
こうした点を織り込みつつも、今年は、総じて堅調な相場展開を期待する声が多いと感じております。
今年の干支は寅です。相場の格言では、「寅は千里を走る」と言われています。勢いのある縁起のいい年になりますことを期待したいと思っております。
皆様にとって、そして我が国金融資本市場にとって、より良き1年になることをお祈りいたしまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。
取締役兼代表執行役グループCEO
清田 瞭
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株式会社日本取引所グループ 広報・IR部
電話:03-3666-1361(代表)