JPXからのお知らせ

2023/01/04 JPX 年頭ご挨拶

 

明けましておめでとうございます。
日本取引所グループの清田でございます。
年頭にあたり、皆様のご健勝を心よりお祝いいたしますと共に、本年も一層のご活躍をお祈り申し上げます。

さて、新年のご挨拶にあたり、最初に、昨年の株式市場を振り返りたいと思います。
昨年は皆様ご承知のとおり、バブル後最高値を更新した一昨年の流れから、明るい期待を持って1年のスタートを切りました。しかしながら、2月24日のロシアによるウクライナ侵攻を転機に、エネルギー・資源価格の高騰から世界的なインフレ傾向となり、欧米をはじめとした世界各国の中央銀行は相次いで、大幅に、かつ急ピッチに金利の引上げを行いました。
そのような不安定な世界情勢の中で、日本の株式相場は、ロシアのウクライナ侵攻直後の3月9日に2万4,000円台という最安値を付けたものの、その後は比較的堅調な企業業績が株価を支え、年間を通してみると、2万6,000円台から2万8,000円台の間で底堅く推移しました。

続きまして、JPXの各種の取組みについてご紹介いたします。
東京証券取引所では、昨年4月に市場区分を見直し、3つの市場区分「プライム」「スタンダード」「グロース」に再編しました。市場区分見直しのねらいは「上場会社の企業価値向上を支え、国内外の投資者から高い支持を得られる魅力的な市場を提供していくこと」にあります。これはあくまでスタートであり、上場会社における持続的な成長と中長期的な企業価値向上の後押しに、引き続き取り組んでまいります。
デリバティブ市場では昨年4月に電力先物の本上場とLNG先物の試験上場、そして9月には祝日取引が開始しました。本年5月には日経225マイクロ先物や短期金利先物の上場を予定しており、利用者のニーズに沿った商品の拡充に努めてまいります。
また、昨年設立したJPX総研を中心に、従来の取引所の枠組みにとらわれないデジタル化、データサービスの多様化、サステナビリティの推進といった新たな挑戦を進めてまいります。
さらに昨年、政府においてNISAの抜本的な拡充・恒久化や金融経済教育の充実など、大変に充実した内容の「資産所得倍増プラン」が策定され、我々JPXとしても「成長と分配の好循環」に向け、市場インフラの立場からしっかりと貢献を果たしてまいりたいと考えております。

ちょうど10年前、2013年1月1日に、東京証券取引所と旧大阪証券取引所が合併し、我々日本取引所グループ・JPXが発足しました。本日からJPXとしては新たな10年の1歩を踏みだします。我が国資本市場の中核を担うJPXとして、皆様が安心してご利用いただけるような市場運営に努めるとともに、我が国金融・資本市場の発展、経済の成長、豊かな社会の実現に貢献すべく、取り組んでまいります。
引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

最後に、本年のマーケットについて、お話させていただきます。
本年も引き続き、米国・欧州を中心とした世界各国の金融政策の動向と、昨年の金融引き締めによる欧米経済への影響、ウクライナ動向をはじめとする地政学リスク、中国のゼロコロナ解除に伴う経済先行きの不透明感などには、注視が必要であると思います。
ただ、日本国内に目を向ければ、日本企業の収益力、変化への対応力は高まってきており、コロナ禍からの経済活動の正常化により、我が国の経済先行きは底堅い動きを見せるものと期待しています。
こうした点を織り込みつつ、本年は、総じて堅調な相場展開を期待する声が多いと感じております。

本年の干支は卯です。相場の格言では、「卯跳ねる」と言われています。この縁起のよい格言にあやかり、株式市場も大きく跳躍するような年になることを期待したいと思っております。
皆様にとって、そして我が国金融・資本市場にとって、より良き1年になることをお祈りいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

株式会社日本取引所グループ
取締役兼代表執行役グループCEO
清田 瞭

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