JPXからのお知らせ

2024/01/04 JPX 年頭ご挨拶

 

新年早々に発生した石川県能登地方の大地震により、亡くなられた方々とそのご家族、また、その被災地に支援物資を輸送する途上での事故で亡くなられた方々とそのご家族に対し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
1日も早く、被害にあわれた方々が心の平穏を取り戻され、また被災地が復旧することをお祈り申し上げます。

本年は新NISAが始まる象徴的な年となります。個人の投資に対する意識や関心も着実に高まっており、長年の悲願である「貯蓄から投資へ」の流れが、いよいよ大きく加速していく1年になると思っております。
我々JPXといたしましても、こうした流れや、成長と分配の好循環の実現を後押しすべく、個人投資家の皆様がより投資しやすい環境の整備や上場商品の質と量の拡充に取り組んでおります。

投資単位の水準が高い企業に対しては、株式分割の実施を要請し、対応を進めていただいております。昨年7月には日本を代表する価値創造企業を見える化した「JPXプライム150指数」の算出を開始するとともに、先物の上場を決定したほか、同指数に連動するETFの上場も予定しております。また、昨年9月には、多様な資金運用・資産形成ニーズに応える「アクティブETF」も上場いたしました。
そして、新NISAが目指す「成長と資産所得の好循環」の実現に向けては、投資対象としての上場会社の持続的成長・企業価値向上が不可欠であります。昨年3月の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請等を受け、国内外の投資家からも、上場会社の意識の変化に高い期待が寄せられているところです。
昨年は、外的なものも含め、様々な要因が転機となり、株式市場を好転させた1年であったと思います。一方で、長年にわたり日本株を運用している投資家からは、「今回の変化は本物なのか。また元に戻ってしまうのではないか」という懐疑的な声も聞かれます。我々JPXといたしましては、「今回こそ本物としなければならない」という固い決意をもって、市場運営者としての役割を、しっかりと果たしてまいりたいと思います。

最後に、本年のマーケットについて、お話させていただきます。
市場を取り巻く環境を見渡すと、引き続きさまざまなリスク要因、例えば、「米中関係や、ウクライナ、中東をはじめとする地政学リスク」、「国内の金融政策やグローバル経済の動向」には注視が必要です。また、11月に控えるアメリカ大統領選挙も注目されます。
一方で、継続的な物価上昇と賃上げ機運の高まりから、約30年続いたデフレ経済からの脱却の兆しが見られることは、これまでとの最も大きな違いです。加えて、企業の今期業績が過去最高を更新するとの予想もあり、日本経済が本格的に成長軌道に戻る流れも見られています。また、コーポレートガバナンス改革、資産運用業の高度化、新NISA、スタートアップ育成5か年計画など、政府が取り組まれている、将来を見据えた施策に対しては、国内外の投資家からも好意的な反応が寄せられています。
こうした点を踏まえつつ、本年も昨年に引き続き、総じて堅調な相場展開を期待する声が多いと感じております。

本年の干支は辰です。相場の格言では、「辰巳天井」と言われていますが、昇り龍のごとく力強く株価が上昇する年になることを期待しております。
皆様にとって、そして我が国金融・資本市場にとって、より良き1年になることを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

株式会社日本取引所グループ
取締役兼代表執行役グループCEO
山道 裕己

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