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2024/12/13 東証 改善報告書及び上場契約違約金の徴求:(株)ガーラ
以下のとおり、改善報告書及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。
※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。
1.会社名 | 株式会社ガーラ (コード:4777、市場区分:スタンダード市場) |
2.改善報告書提出期限 |
2025年1月20日(月) |
理由 (関連条項) |
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反し、改善の必要性が高いと認められるため (有価証券上場規程第504条第1項第1号) |
3.上場契約違約金金額 |
2,000万円(注) |
理由 (関連条項) |
適時開示の規定に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため (有価証券上場規程第509条第1項第1号) |
4.理由の詳細 | 株式会社ガーラ(以下「同社」という。)は、2024年9月9日、同社グループにおける不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を開示し、同年11月12日、過年度の決算内容の訂正を開示しました。 これにより、同社では、会計基準の適用を誤り、本来、費用計上すべきゲームの開発費をソフトウェアとして資産計上していたことが明らかになりました。その結果、同社は、2019年3月期から2024年12月期第1四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2019年3月期から2020年3月期における純資産の額が負となることなどが判明しました。 こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。 ・同社はゲーム事業を主力としているにもかかわらず、ゲームの開発費に関する会計方針が存在していなかったことや、経営陣は会計処理上の判断を誤る可能性があることを認識せず、ゲームの開発費の資産計上に関して経理責任者に会計処理上の判断を任せきりにしており、経理責任者が単独で会計監査人の判断に従って検討を行う体制となっていたなど、会計処理・経理体制が十分に整備されていなかったこと ・同社の取締役会において、ゲーム事業に関する意思決定や重要な会計処理に関する検討・議論が十分に行われていなかったこと。また、ソフトウェアの資産計上の可否を判断する時点においても、予算・事業計画の不確実性について十分に議論されず、その後も開発状況に応じた予算・事業計画の見直しが適切に行われなかったなど、取締役会による会計処理・経理に関する監督・けん制機能が十分に発揮されていなかったこと ・代表取締役をはじめとする経営陣において、重要な会計論点の理解や会計基準等の遵守に向けた認識が不足していたこと ・開発プロジェクト管理のための社内ルールが整備されていないほか、社内に記録を残さず口頭で契約内容の合意が行われるなど、開発プロジェクトや契約の管理体制・プロセスが十分に整備されていなかったこと 以上のとおり、本件は、同社において会計処理・経理体制が十分に整備されていなかったことや、取締役会による会計処理・経理に関する監督・けん制機能が十分に発揮されていなかったことなどにより、ソフトウェアの資産計上の妥当性に関する十分な検討が行われなかった結果、虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められます。同社は、特別調査委員会の調査結果及びその提言等を踏まえて、2024年10月30日に再発防止策を開示しており、既に一定程度進捗がみられる状況にありますが、同社における今後の取組みの徹底を促す観点から、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。 また、同社の体制不備に起因して過年度決算訂正が行われた結果、同社において、過去2期連続で債務超過に転落するなど、投資判断情報として重要性の高い決算情報について、長期間にわたり誤った情報を公表し続けられていたことは、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることにしました。 |
- 「コーポレートガバナンス・コードの一部改訂に係る有価証券上場規程等の一部改正について(市場区分の再編に係る第三次制度改正事項)」に係る有価証券上場規程施行規則令和4年4月4日改正付則第4項の規定に基づき、本件は施行日(令和4年4月4日)より前にJASDAQ市場に上場していたときに行われた行為であるため、改正前の有価証券上場規程施行規則第504条第1項第1号に定める金額を適用しています。
- 同社の改善報告書は、提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。
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株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
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