• X
  • facebook
  • instagram
  • youtube

マーケットニュース

2025/04/15 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:(株)トーシンホールディングス

 

以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 株式会社トーシンホールディングス
(コード:9444、市場区分 :スタンダード市場)
2.改善報告書提出期限 2025年5月16日(金)
  理由
 (関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反し、改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第504条第1項第1号)
3.公表措置公表日 2025年4月15日(火)
  理由
 (関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反した旨の公表が必要と認められるため
(有価証券上場規程第508条第1項第1号)
4.理由の詳細 株式会社トーシンホールディングス(以下「同社」という。)は、2025年2月14日、同社グループにおける不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同日、過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社グループがキャリアの一次代理店として行う移動体通信関連事業(以下「モバイル直営事業」という。)において、主に回線契約を締結したエンドユーザーへ実施する現預金の支払(以下「キャッシュバック」という。)の債務額について、同社ではキャッシュバックをその支払時に費用計上していたが、債務の網羅性及びキャッシュバックの会計処理が検証された結果、エンドユーザーとその支払を約した時点で計上する必要があったことなどが明らかになりました。その結果、同社は、2023年4月期から2025年4月期第1四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2023年4月期において営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が3割以上減少することなどが判明しました。
こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。

・ 同社の代表取締役会長兼社長(以下「会長兼社長」という。)が社内で強力な影響力を有し、他の役員や従業員が会長兼社長に素直な意見を述べることが難しい状況となっている中、モバイル直営事業の従業員や経理担当取締役は、目標達成やキャッシュバックの支払申請についていかに会長兼社長の承認決裁を得るかという点において強いプレッシャーを受けるようになっていたことにより、長期間にわたりキャッシュバックの支払額の一部分を翌月以降に繰り延べることを許してしまったこと
・ 同社の取締役会は、モバイル直営事業の経営戦略やリスク管理、重要な会計処理に関する検討・議論が十分に行われていなかったなど、取締役会による会計処理・経理に関する監督・けん制機能が十分に発揮されていなかったこと
・ 同社の監査役会は、内部監査の結果報告を受けることが主であり、キャッシュバック等を含めた経営上の問題を早期に発見・是正するための監査が実施された形跡は見当たらず、取締役や取締役会の職務執行の適正の確保に向けた監査機能が十分に発揮されていなかったこと
・ 同社は職務権限や決裁権限などのルールが整備されておらず、会長兼社長に実質的な権限が集中していたこと
・ 同社の内部監査室は、事前に定められたチェックリストの項目を確認することが主眼となっていたため、本件について詳細な把握ができておらず、調査も実施できていない状況であったこと
 
以上のとおり、本件は、会長兼社長の影響力や結果重視の企業風土、ガバナンスの機能不全、職務権限等のルールの未整備、内部監査室のモニタリング不足などに起因して、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められることから、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。
また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。
  • 同社の改善報告書は、提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


S