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マーケットニュース

2025/09/19 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:(株)フィスコ

 

以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 株式会社フィスコ
(コード:3807、市場区分:グロース市場)
2.改善報告書提出期限 2025年10月21日(火)
  理由
 (関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反し、改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第504条第1項第1号)
3.公表措置公表日 2025年9月19日(金)
  理由
 (関連条項)
開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反した旨の公表が必要と認められるため
(有価証券上場規程第508条第1項第1号)
4.理由の詳細 株式会社フィスコ(以下「同社」という。)は、2025年8月4日、過年度の連結財務諸表等の訂正事項について開示し、同年8月8日、過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、2022年12月期第2四半期における暗号資産の評価について期末終値を採用していましたが、当該四半期末にかけて同社元取締役が取締役を兼務していた子会社等を通じて行った暗号資産の大口取引(以下「本件取引」という。)によって市場価格が大幅に変動しており、当該暗号資産には活発な取引市場が存在しないため、本件取引直前日の終値を基準とするのが適切であったこと、また、2024年12月期第2四半期において、同社は当該暗号資産について備忘価格まで評価減を行っていましたが、当該暗号資産の同社保有量及び市場流通状況に照らせば当該評価減は2023年12月期に実施することが適切であったことが、明らかになりました。その結果、同社は、2022年12月期第2四半期から2024年12月期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2022年12月期において営業利益及び経常利益が黒字から赤字へ転落するとともに、2023年12月期において売上高が50%以上減少することなどが判明しました。

こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・ 同社には暗号資産取引に関する規則が存在していたが、暗号資産取引を行う子会社には同様の規則を整備しておらず、グループ内で統一的なルールや運用方針も整備していなかったため、子会社における暗号資産取引に対してのチェックを行う体制となっていなかったこと
・ 同社において、子会社による暗号資産取引を一元的に把握し、必要に応じて暗号資産取引を制限する仕組みなど、子会社による相場への影響や価格形成の偏りが生じかねない暗号資産取引を管理する体制を構築できていなかったこと
・ 本件取引に関与した同社元取締役において、活発な取引市場が存在しない暗号資産については、発行体関係者が取引を行うこと自体が価格形成に影響を与え利益相反を惹起しうるとの認識が不十分であったこと
・ 活発な取引市場が存在しない暗号資産の評価において、市場価格の推移のみに着目し、取引履歴の分析や異常値の原因究明等を通じて取引市場における価格形成の妥当性を検証する体制となっていなかったこと

以上のとおり、本件は、同社において保有する暗号資産に関する評価及び会計処理が不適切であった結果、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められます。同社としては既に社外取締役及び監査役会からの提言を踏まえ、2025年8月4日付で再発防止策に係る開示を行っており、本件取引に関与した取締役は退任していますが、再発防止に向けた取組みの徹底を促す観点から、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。
また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。
  • 同社の改善報告書は、提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)