液化天然ガス~LNG~をご紹介

液化天然ガス(LNG)先物取引

世界中が脱炭素社会実現に向けて動き出し、「エネルギー・トランジション(転換期)」に
注目が集まる時代。今、最もクリーンな化石燃料である「液化天然ガス(LNG)」が、
2022年4月4日、株式会社東京商品取引所のエネルギー先物市場に上場。

液化天然ガス・LNGってなに?

「気体」である天然ガスをマイナス162℃まで冷却すると「液体」になります。その液化した天然ガスの英語表記「Liquefied Natural Gas」の頭文字をとって「LNG」といいます。
天然ガスは、石油や石炭と同じ化石燃料ですが、燃やしたときに出る二酸化炭素(CO2)などの量が、石炭や石油よりも少ないことから「地球にやさしいエネルギー」と言われています。
また「気体」から「液体」に形を変えると、同じ量でも「気体」に比べ体積が1/600まで凝縮されるので一度にたくさんの量をタンカーに積んで運ぶことができ、かつ貯蔵することができるのです。

私たちの暮らしを支えるLNG

日本のLNG輸入量は90%以上です。そのうち約65%は火力発電に用いられる「発電燃料」、約35%は「都市ガス原料」として使われています。特に国内の都市ガスは殆どがLNGで供給を賄っています。

世界有数のコモディティ

LNGは、国際貿易において世界上位5品目の中に位置し、原油、金、鉄鉱石に次ぐ市場規模を誇るコモディティです。また、日本が属する北東アジアは世界有数のLNG消費地域であり、総輸入量は世界全体の大部分を占めています。

液化天然ガス先物の価格変動要因

液化天然ガス先物価格は、現物の需要と供給のバランスなどが最大の価格決定要因となります。価格変動を展望する上で、以下の様々な価格変動要因を把握して変化を上手くとらえることが重要といえます。

「天候」

猛暑や厳冬といった冷暖房の需要や太陽光・風力などの自然エネルギーの発電量の増減が発電燃料及び都市ガス原料であるLNGの需要に影響し、価格が変動します。

「地政学リスク」

世界の天然ガス産出国や海上交通の要衝における政情不安などの地政学リスクの上昇は、LNG供給制約となり価格を押し上げる要因となります。

「生産・輸送インフラの稼働状況」

液化施設の稼働停止やパナマ運河での渋滞などは、供給停滞につながり、価格上昇の要因となります。

「傭船市場の需給」

輸送用のチャーター船が逼迫している場合、輸送コストの上昇を受けLNG価格も上昇します。

「排出権価格」

排出権価格の高騰は石炭から天然ガスへ発電燃料を切り替えるインセンティブとなり、LNG価格の上昇につながります。

「景気動向」

原油などと同様にエネルギーであるLNGも一般的に景気動向と価格は連動します。

「海外市場の動向」

欧州ガス価格指標であるTTFとLNG価格指標であるJKM(用語説明参照)は相関性が高く、欧州
におけるガスの在庫状況等はJKMの変動要因となります。

「用語説明」北東アジア向けのLNGスポット価格指標 「プラッツJKM」

プラッツJKMとは、S&P Global Commodity Insights(プラッツ)が北東アジア向けスポットLNGカーゴの価格を入着ベースで評価・発表しているLNG価格指標であるJapan Korea Marker(JKM)を指し、日本・韓国・台湾、中国向けカーゴの価格が評価対象です。
LNGの取引はスポット契約とターム契約に大別されます。ターム契約のほとんどが原油価格に連動して価格決定されますが、スポット契約はその時々のLNG需給を反映し価格決定されます。JKMはスポット契約の価格指数であり、北東アジア向けスポット取引契約の指標価格としての地位を確立しつつあります。

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LNG(プラッツJKM)先物 制度概要
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