パブリック・コメント
カバードワラント上場規則等の整備について(案)
カバードワラントはオプションと同様の商品性を有しつつ,有価証券として証券総合口座で取引できる商品です。また,一銘柄あたりの投資額を少額に設定することができ,常に買いから始まるために損失が限定されるという特徴を持ちます。
カバードワラントは日本を除くアジアの主要な取引所では既に導入されている商品であり,国際的な比較において取引所の商品範囲を拡充させる観点からもカバードワラントの導入を実施することとし,その制度要綱を次のとおり取りまとめました。
つきましては,本件に係るパブリック・コメントを募集しますので,御意見等がございましたら,以下の要領により,当社に御提出下さいますようよろしくお願いいたします。
当社は,平成19年11月22日~同年12月21日の間,「カバードワラント上場規則等の整備について」に係るパブリック・コメントを募集し,10件のコメントを受領しましたので,以下のとおりご回答致します。
ご意見
- 上場カバードワラント導入の前に,株券オプションの振興をもっと進めるべきではないか。
大証の回答
- 株券オプションに関しては,マーケットメイカー制度導入や対象有価証券の追加といった市場振興策を継続的に実施しており,今後も取引を活発化するための制度改正等を逐次実施してまいります。
ご意見
- 発行者の審査基準に関して,保証者が発行者の純資産額を満たしている場合も含めてよいのではないか。
大証の回答
- カバードワラントの発行に際しては,発行者の償還資力を確保するため,発行者の純資産額に一定要件(純資産額200億円以上)を設けていますが,発行者が保証者を附している場合は,保証者が償還責任を負うことから,保証者の純資産額が当社要件を充たしていれば,発行者における要件充足と等価の投資者保護が図られることとなります。このため,ご意見のとおり,保証者を附す発行者においては,保証者の純資産額をもって財務要件を充たすものとし,当初案を変更するものとします。
ご意見
- 適時開示の義務対象者について,保証者がいる場合は,保証者のみに課すればよいのではないか。
大証の回答
- 適時開示の義務は,株券同様,当社と上場契約を締結している上場有価証券の発行者に課すべきものであると考えています。よって,当初案から変更しないものとします。
ご意見
- 初日の基準価格は,事前に公表すると取引の透明性が高まってよいのではないか。
大証の回答
- 上場当日のカバードワラントの基準価格は,上場前日までに,当社ホームページを通じて公表します。
ご意見
- 値幅制限は,カバードワラントの値段に応じて毎日変化する方がよいのではないか。
大証の回答
- 我が国の株券は値段が分散しているため,値段に応じて制限値幅を設けておりますが,カバードワラントは,指標資産の値段に関わらず,商品設計によってカバードワラントそのものの値段が一定幅に集中すると見込まれることから,値幅制限を一律としました。よって,当初案から変更しないものとします。
ご意見
- 指定参加者の義務内容を明確化すると,取引の透明性が高まってよいのではないか。
大証の回答
- 指定参加者の業務内容は,上場前に当社ホームページにて公表する書類に記載します。
ご意見
- 指標資産となる対象株式が分割・併合された場合でも,カバードワラントを上場廃止せず売買を継続してはどうか。
大証の回答
- 指標資産が,1株を2株以上に分かつ株式分割,2株以上を1株に併せる株式併合又は1株に対して1株以上の株式を割り当てる株式無償割当若しくは新株予約権無償割当て等(コーポレート・アクション)を行った場合,指標資産の値段が大きく変動するため,指標資産の価格と権利行使価格の乖離が著しくなり,売買が極端に少なくなると考えられます。当社では,このような流通が見込めない銘柄を上場し続けると,かえって投資者の流動性リスクを高めることになると考えますので,上場廃止とすることが適当と考えます。
ご意見
- 実施時期は9月中旬を希望する。
大証の回答
- 現段階では8月下旬の実施目途としていますが,証券会社の意見を聴取した上で決定していく予定です。
ご意見
- カバードワラントについて申告分離課税が導入できないか検討してほしい。
大証の回答
- 上場カバードワラントの売買によって得た利益(譲渡利益)は,不動産売買による利益等と同様の譲渡所得に含まれ,給与所得等と合算して総合課税されます。
- また,上場カバードワラントに係る償還益は雑所得と扱われることとなり,譲渡利益同様,給与所得等と合算して総合課税されます。
- これら上場カバードワラントの税制について,今後課税方法が変更になることがあれば改めて周知致します。