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パブリック・コメント

取引所外国為替証拠金取引市場の創設(案)

投資家の投資対象や投資手段の多様化及びグローバル化が進む中で,外国為替証拠金取引(以下「FX取引」という。)を,透明性が高い価格決定プロセスを有し,取引相手の信用リスクの排除が可能な取引所に上場させることは,貯蓄から投資への流れをより一層進めていくために有効であると考えられることから,当社において取引所FX取引市場を創設することとし,当該市場創設に係る制度要綱を取りまとめ,パブリック・コメントを募集したところ,御意見が寄せられました。

お寄せいただいた御意見を踏まえ,原案の内容を一部修正することとし,修正後の制度要綱を公表いたします。

<2009年4月28日公表>

データの取扱いについて

取引所外国為替証拠金取引市場の創設pdf

別紙1pdf

別紙2pdf

<参考>2008年7月30日公表

取引所外国為替証拠金取引市場の創設pdf

別紙1pdf

別紙2pdf

<参考>2008年4月22日公表

取引所外国為替証拠金取引市場の創設(案)pdf

別紙1pdf

別紙2pdf

また,お寄せいただいた御意見とそれに対する回答を以下のとおりとりまとめましたので公表いたします。

本件の検討に御協力いただき,ありがとうございました。

ご意見

  • 希望します。【個人投資家】

大証の回答

  • ありがとうございます。

ご意見

  • 東京金融取引所の取引所外為証拠金取引市場(くりっく365)と何が違うのかわかりません。シェアの奪い合いになるよりは,東京金融取引所を取り込むなどの手段はないのでしょうか。【個人投資家】
  • 現在,為替証拠金取引の公設市場として「くりっく365」が既にあるので,大証は重複して取引所を新設する必要はない。むしろ,FXオプションを上場させるべきである。【個人投資家】

大証の回答

  • 当社が取引所外国為替証拠金取引市場を創設するのは,外国為替証拠金取引市場全体のさらなる発展を企図したものです。当社の取引所外国為替証拠金取引は,外国為替証拠金取引におきまして,株式の売買と同様に,多様な市場参加者が自由に取引を行うことができるオークションの板を用いた取引の導入及び取引証拠金の有価証券による代用を認める等の証券投資家にとりまして馴染みの深い仕組みを取り入れることにより,投資家層の拡大を図ることができるものと考えております。また,御指摘のFXオプション等の為替関係商品につきましては,今後,市場ニーズ等踏まえ,検討したいと考えております。

ご意見

  • 今回導入が予定されている制度ではギブアップ制度の対象外とされるようですが,顧客の利便性,また競争力強化の観点からギブアップ制度の対象とされてはいかがでしょうか。システム対応等で時間がかかるのであれば,同時導入ではなくとも「今後対象とする方向で検討する。」と明記されてはいかがでしょうか。【市場関係者】

大証の回答

  • 当社におきましては,既に株価指数先物・オプション取引を対象としたギブアップ制度を導入しており,利用状況等から海外投資家等における一定のニーズが存在していることは確認できております。しかしながら,今回の取引所外国為替証拠金取引におけるギブアップ制度につきまして,現時点での具体的なニーズを確認できておりません。つきましては,取引開始当初はギブアップ制度を導入いたしませんが,開始後の取引状況や各参加者等からのニーズ等を踏まえ,導入の是非につきまして検討したいと考えております。

ご意見

  • 当該外国為替証拠金取引市場において,取引参加者からの特殊注文(OCO注文,IF DONE注文等)は受付けられるのか。特殊注文の受付けが予定されていない場合は,一般投資家等のニーズを勘案し,当該注文の受付けを可能として頂きたい。【市場関係者】

大証の回答

  • 外国為替証拠金取引の特性に鑑み,顧客におけるリスク管理及び利便性向上の観点から,多くの条件付注文を導入することとしました。取引開始時における注文形態としましては,制度要綱(案)におきまして提示したものを予定しておりますが,開始後の各参加者等からのニーズ等を踏まえ,追加の是非につきまして検討したいと考えております。

ご意見

  • 取引所外国為替証拠金取引に係るレバレッジ率につき,投資家の利便性に鑑み,店頭金融先物取引における一般的なレバレッジ率(50倍~100倍程度)に比して,著しく低くならないようご配慮いただきたい。【市場関係者】

大証の回答

  • いわゆるレバレッジ率は,取引金額と取引証拠金額の比率から定まるものと考えます。当社は取引証拠金額の基準となる為替証拠金基準額を,当社と各参加者間の決済履行の確保が可能な水準に設定することとしています。したがって市場のリスクの度合いに応じて,必要な取引証拠金額及びそれに対応したレバレッジ率が定まるものと考えております。
    具体的には,米ドル/円の場合を用いてシミュレーションしたところ,取引金額約100万円に対して,為替証拠金基準額は3万円程度になると予想しており,結果的にレバレッジ率は約33倍程度になります。なお,当該水準等につきましては,現時点におけるシミュレーションの結果であり,相場状況次第で変動します。

ご意見

  • 両建取引において証拠金計算をいわゆるnet方式とするようであるが,両建には経済的には採用される合理性を欠くものであって,心理面から採用される場合があってもそれはそのようなものとして限定的に用いられるべきものであるし,相場の急変時にはスプレッドが開くことによって損失の固定の機能も部分的に欠落することになるから,取引の仕組み上両建を抑止することが望ましいところ,net方式はこのような要請に反する。【弁護士】
  • 両建取引は,許容されるべきではありません。まして,証拠金を「売り買い差引建玉数量」に限定する(同案13頁最終行,いわゆるnet方式)は,採用されるべきではありません。【弁護士】
  • 建玉両建て時の証拠金所要額については,「売り買い差引建玉数量に為替証拠金基準額を乗じて得た額に顧客の現金授受予定額を加減した額」とされています。売建玉と買建玉を差し引いた数量を基準に証拠金所要額を算出するNet方式では,両建の抑止力がないため,少額の証拠金で膨大な枚数の両建ポジションを構築できることとなります。かかる方式では,証拠金が不足する事態が発生する懸念があるが,所見如何。【市場関係者】

大証の回答

  • 外国為替証拠金取引につきましては,最近も外国為替証拠金取引業者において投資者保護に欠ける行為が発覚するなど,投資者保護の一層の枠組み強化が必要であるとの認識を当社も有しております。取引証拠金所要額の算出方式につきましては,投資者保護の一層の枠組み強化の観点から,いわゆるマックス方式(売・買建玉の多い方の建玉数について取引証拠金所要額を算出する方式)を採用いたします。一方,当社の取引所外国為替証拠金取引は多様な投資家による利用を想定しており,投資家の中には様々なストラテジーを採用し,結果的に売・買両方のポジションを同時期に保有する状況も考えられます。こうした中で両建取引を一律禁止することは,本来投資家に投資機会を提供すべき取引所が,投資機会を奪うことに繋がりかねないため,望ましくないと考えます。

ご意見

  • 為替証拠金取引では一般的に,業者は証拠金がマイナスになる前に顧客の建玉を強制的に決済する「強制ロスカット」を採用しています。強制ロスカットが発動されるのは,ビッド・オファーが広がる相場急変時が多く,そのような状況での強制ロスカットは,両建ポジションの投資家に予想以上の損失を生じさせる恐れがあります。少額の証拠金しか預かっていなかった結果,顧客が損失を賄えなければ,その影響は特に財務基盤の弱い業者の破綻につながる恐れがある。投資家の資金効率だけを追求するのではなく,健全な市場を育成する観点から,証拠金所要額の算出方法を決定するべきと考えるが,この点について貴所のお考え如何。【市場関係者】
  • FXの相対取引では証拠金率100%を割ったら即時にポジションを自動的に閉じられるのが主流です。証拠金以上の損失を出されると取引会社のほうは回収不能になりますし,顧客の保護の観点からしても理に適っています。翌日に証拠金の差し入れなどというタイムラグには反対です。数時間で相場が大変動する事などよくありますので,損失が大きく膨らむ可能性は高いといえます。証拠金以上の赤字になれば取引会社と投資家の双方が不利益を被ることになります。【個人投資家】
  • ロスカット・ルールの記載がありませんが,同ルールの記載はされないのでしょうか。取扱業者側が対応すべきところではありますが,安心して取引できるという観点からも取扱業者に同ルールの導入を推奨されてはいかがでしょうか。【市場関係者】

大証の回答

  • 外国為替証拠金取引につきましては,投資者保護の一層の枠組み強化が必要であるとの認識に立ち,為替取引証拠金所要額の算出方法につきまして,マックス方式を採用いたします。
    このことにより,御指摘いただいたような状況におきましても,一層強化された枠組みのもとで,投資者の保護が図られるものと考えます。さらに,参加者におきましては,その他追加的な投資者保護策について採用の検討を行うよう促すこととし,具体的には前受け証拠金制度及びロスカットルールにつきましては,採用を「推奨」することとします。

ご意見

  • 証拠金管理のあり方について,証拠金計算を参加者からの申告に基づいてすることとし,参加者の計算も非参加者である取次者からの自己申告に基づいてされることとなっているため,業者の申告の仕方によって証拠金欠損を生じる証拠金計算がなされる危険性が生じる。必要と認めるときには資料提出をさせることができるものとされているが,証拠金管理の適正を担保する実効性がどの程度あるのか疑問でもある。金融取が採用する取引所計算方式,直接預託方式を採用しない理由が明らかではない。【弁護士】
  • 大阪証券取引所の予定する方法での分別管理については反対である。予定された分別管理の方法では,業者の申告に基づいて証拠金を把握することとなっているが,それでは,正確な保管すべき証拠金を把握できるか極めて疑問である。また,取引所ではエンドユーザーも正確には把握できないことになっており,業者による呑行為すら可能な方法である。消費者保護の見地から,すべての顧客の証拠金を取引所が管理可能な方法をとるべきである。【弁護士】
  • 大阪証券取引所は,「FX 清算参加者は,当社[大阪証券取引所]が必要と認める場合に,当社の請求に応じて,各顧客,各非FX清算参加者の自己及び各非FX清算参加者の各顧客の銘柄ごとの建玉その他為替取引証拠金所要額計算に関する資料を提出するものとする。」としていますが(平成20年4月22日案16頁),取引所が各顧客ごとの建玉等を直接把握すべきです(取引所計算方式)。また,大阪証券取引所は,いわゆる差替預託方式を許容していますが(同案12,16頁),これは許容するべきではなく,直接預託方式に限定すべきです。【弁護士】
  • 参入要件が比較的緩やか━ 資本に関わる自主規制程度━の場合には,参加事業者の質の多様化は避けられません。緩やかな参入要件であればあるほど,顧客資産を守るための取引所の責任は重く,個々の取引への取引所の関与を強めなければなりません。取引所が顧客別の建玉を把握し,顧客の口座の一つ一つを直接管理し,預託金を全額預かり,証拠金の計算を行い,証拠金の過不足を管理し,また顧客も取引所から自分の取引情報を直接取得できるようなシステムを構築することが必須です。しかし,「案」では,こうした方向性がはっきり示されていないように思え,法の趣旨が具現されているようには思えません。【金融関係団体等】
  • 上記(取引所が,顧客ごとの取引を口座単位で管理すること)に関しては,東京金融取引所がこうしたシステム作りをしているようです。同種の商品には,同程度の管理システムが必要ではないかと思います。二つの取引所間で顧客保護の程度に差異があってはならならないと思います。新たな市場を創るのですから,既存の市場より顧客の保護が後退するようなことがあってはならないと思います。【金融関係団体等】
  • このような自己申告に基づく証拠金所要額がつねに正しいか否かを,貴所は如何なる方法で確認されるのか。また,証拠金の分別管理が問題となる事例が多発しているにも関わらず,業者の自己申告が正しいとする根拠如何。【市場関係者】
  • 「取引所が必要と認める場合」という曖昧な基準で,かつ「請求に応じて提出する」といった方法で,建玉及び証拠金所要額をつねに正しく管理できるのか。特に顧客口座数が増えた場合,その実行可能性は大いに疑問と思われるが如何。業者の申告や資料が誤っていた場合,証拠金所要額が取引所に預託されないリスクが残るが如何。【市場関係者】
  • 今日IT技術が格段に進歩しており,顧客毎の建玉及び証拠金所要額管理も所要の方策を講ずれば十分可能な筈である。なぜそのような厳格な管理方法を取り入れられないのか。【市場関係者】
  • 証券市場と異なり,為替証拠金取引市場においては,業者任せでは大切な顧客の証拠金を保全することができない状況が依然頻発しているため,取引所自身が顧客の資金について,つねに全額預かっているべきと考える。また,取引所は顧客・業者間の入出金情報を把握し,全額預かっているという確認ができる方策を採るべきと考えるが,貴所の考え如何。【市場関係者】
  • 貴所の管理方法によれば,業者に顧客資金が滞留する仕組みとなっていると考えるがどうか。また,万一業者に破綻が生じた場合,顧客の資金は全額保全されるのか。資料によればロスシェア・ルールの記載がなされているが,仮に業者にて資金が滞留し,分別管理が不十分であった場合,このルールでは顧客の資金は全額保全されないと考えるが如何。【市場関係者】
  • 提案されている仕組みでは,取引所が,顧客ごとの取引を口座単位で管理することができない,あるいは,不明朗にするのではないかと考えます。【金融関係団体等】
  • 清算参加者は,「当社が必要と認める場合に,当社の請求に応じて各顧客,~資料を提出するものとする。」としていますが,この要件では,実効性に欠けると考えます。【金融関係団体等】

大証の回答

  • 取引所外国為替証拠金取引の導入にあたり,投資者保護の一層の枠組み強化が必要であるとの認識のもと,参加者(取次者を含む)からは顧客別の建玉情報及び取引証拠金情報の報告を求めることとします。当社が顧客別の取引状況を直接把握できる仕組みをシステムにより構築することで,参加者から報告された情報と当社が直接把握可能な情報の突合が可能となることにより,参加者からの報告内容の正確性が担保できると考えます。さらに,当社に預託されている取引証拠金預託額を,顧客が当社の提供する専用ホームページにおいて直接照会できる機能を導入することとします。このことにより,顧客が自身の預託した額が取引所に正確に預託されていることの確認が可能となります。また,参加者の管理体制につきましても一層の強化を図ることとします。具体的には,参加者資格審査時におきまして,分別管理やリスク管理等の整備状況等に係る書類の提出を受け,当該報告の実効性を確保するために実地審査を行います。資格取得後も資格審査時の提出資料等につきまして,定期的に参加者から提出を求めることとします。上記報告内容等につきまして,追加的に詳細の確認が必要な場合は実地検査を実施し,報告に虚偽等が認められた場合には厳正な処分を検討します。
    なお,取次者につきましては,分別管理の状況等を確認するため,参加者経由で分別管理やリスク管理等の整備状況等に係る書類の提出を求めることとします。さらに当社と取次者との直接契約により,当社が取次者に対する顧客資産の分別管理状況に係る検査権能を確保するなど所要の体制を構築します。
    これらの追加的な諸施策により,当社の取引所外国為替証拠金取引の取扱者(参加者及び取次者)におきましては,高いレベルの顧客管理体制が確保できるものと考えております。
    参加者等における顧客資産の分別管理につきましては,その実施状況の適切性をより一層高めるための方法につきまして,引続き検討してまいりたいと考えております。取引証拠金の預託につきましては,顧客が金銭により預託した場合,直接預託方式により,清算参加者は顧客が差し入れた取引証拠金の全部を当該顧客の代理人として当社に預託しなければなりません。今回,上記直接預託方式に加え,顧客と参加者が同意した場合に限り差換預託方式を可能とすることで投資家の利便性向上を図ることとしております。
    顧客資産の保全につきましては,直接預託方式におきましては,顧客資産が全額当社に預託され当社において分別管理され,差換預託方式におきましても,顧客が参加者に差し入れた有価証券に相当する額以上の額の金銭を参加者が当社に預託し,当該金銭は当社において分別管理されます。さらに,顧客が差し入れた有価証券につきましては,金融商品取引法第43条の3の規定に基づき参加者において分別管理が適切に行われることから,万一参加者破綻時におきましても顧客資産は保全される仕組みが整備されていると考えております。

ご意見

  • 不招請勧誘は,取引所取引では,法により禁止されていませんが,過去の被害事例に共通するキーワードでした。不招請勧誘に向けて大きく門戸を開くわけですから,事業者管理の一環として,不招請勧誘に関わる外国為替証拠金取引固有の自主ルールの策定が必要ではないかと思います。【金融関係団体等】
  • 外国為替証拠金取引は,不招請勧誘の禁止をもともと原則としてきました。少なくとも,その趣旨にのっとった自主ルールを策定する必要があると考えます。【金融関係団体等】

大証の回答

  • 取引所外国為替証拠金取引の導入にあたり,投資者保護の一層の枠組み強化が必要であるとの認識のもと,上記諸施策を実施するものであり,御指摘のようなさらなる投資者保護の枠組みの構築につきましては,関係機関等とも十分に協調し,引き続き検討してまいりたいと考えております。

ご意見

  • 不招請勧誘で,ミスマッチな顧客が勧誘され,契約し,苦情が生じることも予測し,あらかじめ,苦情対応のあり方も,考えていただきたいと思います。なお,法による義務付けはないとはいえ,事業者全員が金融先物取引業協会に加入することと思われますので,協会の苦情相談・あっせんシステム利用に関し,顧客への周知徹底を図っていただきたいと思います。【金融関係団体等】
  • 取引所においても苦情・相談窓口の設置を検討されるよう要望します。【金融関係団体等】

大証の回答

  • 既に関係金融商品取引業協会を中心に苦情相談窓口が開設されている状況下におきまして,今回,個人投資家による取引の参加が多く見込まれる新商品の導入にあたり,当社としましても,投資者保護のための仕組みにつきまして,周知・啓蒙を図ってまいりたいと考えております。
    あわせまして,関係金融商品取引業協会等とも十分な連携を取り,既存の仕組みを強化する方策につきまして,引き続き検討してまいりたいと考えております。

ご意見

  • 特に取引所は,公的なインフラとして,マーケットを健全な市場として整備・育成していくことに関与していくという社会的使命があり,取引所取引については投資者保護について格段の信頼性が要請されていると確信するが,貴所の見解如何。【市場関係者】

大証の回答

  • 社会的公器としての立場から,御意見に対して同意するものです。当社としましても,関係機関等とも十分に連携し,投資者保護にも配慮したうえで,外国為替証拠金取引市場全体の健全な発展に資するべく,投資啓蒙等を行ってまいりたいと考えております。
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