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上場とは簡単にどういうこと?上場企業のメリットやデメリットも紹介

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上場とは、証券取引所で株式を売買できるようにすることです。上場で「お金を集めやすくなる」メリットがある分、「手続きや維持にお金がかかる」デメリットもあります。
上場とは具体的にどういうことなのか、こちらの記事で一緒に学んでいきましょう。

目次

上場(上場企業)とは?
会社を上場するメリットは?
会社を上場するデメリットは?
上場とは株式を株式市場で取引できるようにすること

上場(上場企業)とは?

上場(じょうじょう)とは、企業が発行する株式を証券取引所で売買できるようにすることです。一定の基準をクリアし、証券取引所の審査を経て資格を得た会社が上場できます。
ここから、上場と非上場の違いや、上場できる証券取引所について確認していきましょう。

上場と非上場の違い

株式会社が、自社の株式を証券取引所に上場していない状態を非上場と呼びます。証券取引所に上場した株式は、世界中どこにいても誰でも証券会社経由で売買できるのに対し、非上場の株式は一般の人がなかなか買えない点は主な違いです。
なお、上場している会社を上場会社・上場企業、上場していない会社を非上場会社・非上場企業と呼びます。

上場する証券取引所
証券取引所は、上場企業と投資家をつなげる役割を持つ場を意味します。日本に証券取引所がある場所は、東京・札幌・名古屋・福岡の4か所です。
また、証券取引所の中でも、市場の種類が分かれていることがあります。東京証券取引所の場合、一般の投資家が参加できるのはプライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3つです。市場によって、上場する会社が満たすべき基準は異なります。

会社を上場するメリットは?

会社が上場するメリットは、主に以下の3つです。

1. お金を集めやすい
2. 信頼を得やすい
3. 会社の価値を把握しやすい

各メリットの内容を確認していきましょう。

1. お金を集めやすい
会社が上場することで、証券会社を通してより多くの投資家が株式を購入できるため、お金を集めやすくなる点がメリットです。お金が集まれば、その分新たに機械を購入したり、社員やアルバイト・パートの従業員を雇ったりできます。
また、上場して集めたお金は返済する義務がないため、資金がある限り使い続けられる点もポイントです。それに対して、銀行から借りたお金は、あらかじめ決めていた期限までに全額返済しなければなりません。
2. 信頼を得やすい

一般的に、上場することで知名度が向上するため、信頼を得やすい点もメリットです。みなさんも、商品を購入したりサービスを利用したりする際に、よく耳にする会社の方が安心できるのではないでしょうか。
また、上場して知名度が向上すれば、その会社に就職したいと考える学生も増えます。候補の学生が増えれば増えるほど、会社は優秀な学生を選びやすくなるでしょう。
そのほか、銀行からお金を借りる際も、上場していると審査に通りやすい傾向にあります。

3. 会社の価値を把握しやすい

上場すれば、株価を参考にして会社の価値(企業価値)を把握しやすい点もメリットです。自社の企業価値を知ることで、世間からみて自分の会社に価値があること、もしくは思っているより価値が低いことなどを確認できます。
とくに、企業価値は会社を売ったり買ったりするときも大切な概念です。自分が設立して愛着がある会社でも、業績不振(売上や利益があまり良くないこと)や自身の高齢化などのさまざまな事情で売却しなければならないことがあります。
上場していれば、会社を売買する際の企業の値段の参考にできるでしょう。

会社を上場するデメリットは?

会社を上場するには、以下のようなデメリットもあります。

1. 手続きや維持にお金がかかる
2. 社会的な責任を伴う
3. 株式を買い占められる可能性がある

ここから、デメリットについても理解を深めていきましょう。

1. 手続きや維持にお金がかかる

会社を上場するまでの手続きに、手間やお金がかかる点はデメリットです。上場の申請をする際には審査料(上場審査料)、上場する際に上場料(新規上場料)が発生します。
たとえば東京証券取引所のプライム市場では、上場審査料が400万円、新規上場料が1,500万円です。そのほかにも、証券会社に支払う費用などがかかります。
上場後も、年間上場料として毎年数十万円〜数百万円の費用を支払う必要があります。

2. 社会的な責任を伴う

上場することで、社会的な責任を伴う点もデメリットです。上場企業は多くの人の注目を集めるため、社会に対する問題を引き起こした際に、メディアなどを通じて説明しなければならないでしょう。
また、株式会社は株主に対して会社の状況を細かく説明しなければなりません。今まで数人の株主に向けて説明してきた会社でも、上場すると株主の数が増えるため、不特定多数の人たちに説明が必要になるでしょう。
さらに、上場企業には、財務内容(どのようにお金を使っているか示したもの)・事業内容などを開示する義務や、株価に影響を与える情報を開示する義務が定められています。
上場企業のホームページで決算内容(財務内容や経営成績)を確認できることもあるため、スマートフォンやパソコンなどでチェックしてみましょう。

3. 株式を買い占められる可能性がある

上場すると、基本的に誰でも自由に株式を売買できるようになるため、少数の人に買い占められる可能性がある点はデメリットです。
株式を買い占められると、経営者が変わることがあります。なぜなら、株式会社ではたくさんの株式を持つ人がその会社を支配できるためです。株式の買い占めにより、元の経営者は今までのように自由な経営(会社を運営すること)をできなくなるでしょう。
みなさん、ドラマやニュースで「買収(ばいしゅう)」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。会社を買い取って自分のものにする買収も、株式の買い占めで進められることがあります。

上場とは株式を株式市場で取引できるようにすること

上場とは、株式を株式市場で取引できるようにすることです。
上場することで、お金を集めやすい点や信頼を集めやすい点がメリットとして挙げられます。一方、手続きや維持にお金がかかる点がデメリットです。
みなさんのよく知っている会社も、上場企業の可能性があります。気になる方は、一度インターネットで調べてみてはいかがでしょうか。

参考:東京証券取引所「3-1.上場会社とは①~上場審査とは~」

参考:東京証券取引所「3-2.上場会社とは②~上場会社の情報開示~」

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