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2018/12/27 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:(株)ディー・エル・イー

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社ディー・エル・イー 株式
(コード:3686、市場区分:市場第一部)
2.特設注意市場銘柄指定日 2018年12月28日(金)
  条文 有価証券上場規程第501条第1項第3号
(開示された情報の内容等に虚偽があり、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.上場契約違約金金額 3,360万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第1号及び第3号
(開示された情報の内容等に虚偽があり、また、宣誓書において宣誓した事項に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
4.理由 株式会社ディー・エル・イー(以下「DLE」という。)は、2018年11月27日に不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年12月3日に2014年6月期第3四半期から2018年6月期までの決算短信及び四半期決算短信の訂正を開示しました。
これらにより、DLEでは、映像制作事業における一部の案件において、監査法人を誤認させるように虚偽の説明や証憑の隠匿を行い、役務提供の実績やその合意があるかのような状況を作出して売上及び利益を過大に計上するなどの不適切な会計処理が継続的に行われていたことが明らかになりました。その結果、東京証券取引所マザーズへの新規上場直後に開示した2014年6月期第3四半期から2018年6月期までの決算が虚偽と認められました。

虚偽の開示が行われた背景として、主に以下の点が認められました。
・ DLEでは、役務提供の実績やその対価の合意があったことの確認に必要な証憑等、売上計上の要件を明確にしていなかったこと
・ 取締役CFOは、DLEの売上計上基準が曖昧な状態を放置し、責任者としての自覚が欠如していたこと
・ 経営管理部門を中心として、証憑が不十分でも監査法人に説明がつきさえすれば売上を計上できると拡大解釈した結果、取引先を巻き込んでの不適切な会計処理等が横行していたこと
・ 取締役CFO及び経営管理部門が、監査法人に対し虚偽の説明と証憑の隠匿を行う等の不適切な会計処理等へ中心的に関与していること
・ 代表取締役社長は、売上計上基準の決定等の経理関係について、当時の取締役CFOや経営管理部門に任せきりにしており、経営管理に対する関心及び責任意識が著しく欠如していたこと
・ 監査役は、内部監査が計画どおりに実施されていない状況を認識していながら指摘していないなど、監査役としての対応が不十分であること

一方、DLEは、2018年12月3日に今後改善に取り組む旨を開示していますが、内部管理体制等について未だ不備があり、改善の必要性が高いと認められます。

さらに、DLE株式の東京証券取引所マザーズへの新規上場(2014年3月26日)及び市場第一部への変更(2016年4月15日)にかかる審査において、DLEは、株式会社東京証券取引所へ提出する申請書類がすべて真実である旨の宣誓書を提出していたにもかかわらず、申請書類に売上、利益及び純資産を過大に計上するといった虚偽の内容を記載し、上場審査・変更審査の過程においても虚偽の回答を行っていました。
DLEは、実態としては市場変更基準上の利益及び純資産の額を充足していないにもかかわらず、利益及び純資産の額を過大に算出し、市場第一部への変更にかかる申請を行って承認を得ていたことになります。

これらのDLEの行為は、東京証券取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、DLEに対して、上場契約違約金の支払いを求めることにしました。
また、本件は、虚偽の開示を行うことにより市場変更基準を潜脱するなどしたものであり、上場廃止の可能性を留保しつつ、内部管理体制等について速やかな改善を求めるために、DLE株式を特設注意市場銘柄に指定することにしました。なお、特設注意市場銘柄への指定により、内部管理体制等について審査が行われることとなり、改善の見込みがなくなった場合や一定期間後に改善がなされなかったと認められる場合は上場廃止となります。
特設注意市場銘柄指定状況
特設注意市場銘柄指定履歴
上場契約違約金徴求銘柄

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株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)