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2019/08/07 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:日本フォームサービス(株)

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 日本フォームサービス株式会社 株式
(コード:7869、市場区分:JASDAQスタンダード)
2.特設注意市場銘柄指定日 2019年8月8日(木)
  条文 有価証券上場規程第501条第1項第3号
(開示された情報の内容に虚偽があり、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.上場契約違約金金額 2,000万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
4.理由 日本フォームサービス株式会社(以下「同社」という。)は、2019年6月21日に不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年6月26日及び同年7月26日に2014年9月期第1四半期から2019年9月期第1四半期までの決算短信及び四半期決算短信の訂正を開示しました。
これらにより、同社及び同社子会社では、金融機関とのコミットメントライン契約における財務制限条項として定められていた経常損失の計上を回避するために、売上の前倒し、売上原価や営業費用の繰延べによって、利益を過大に計上するなどの不適切な会計処理が継続的に行われていたことが明らかになり、その結果、2014年9月期第1四半期から2019年9月期第1四半期までの決算短信等において、虚偽と認められる開示をしていたことが判明しました。さらに、2016年9月期及び2017年9月期の経常利益の赤字を黒字と偽ることにより、当該期の決算短信等において必要であった継続企業の前提に関する注記の記載を行いませんでした。

このような開示が行われた背景として、主に以下の点が認められました。
・ 本件は、代表取締役社長の指示の下、取締役2名を含む各部門の責任者や子会社代表取締役社長等が、不適切な会計処理を考案するなどして、全取締役が関与する中で組織的に実行されたものであり、コンプライアンス規程も有名無実化しているなど、全社的にコンプライアンス意識が著しく欠如していたこと
・ 各取締役に監督機能を果たす自覚はなく、取締役会決議事項であっても代表取締役社長の指示のみで進行しており、また、取締役会自体も、会社法に違反し年3回しか開催されていないなど、取締役相互間の監督機能が欠如していたこと
・ 本件のほとんどが隠蔽操作すらされていない中で、常勤監査役は、直接不適切な会計処理に関するやり取りを聞いていたものの事実確認をせず、社外監査役及び同社会計監査人への連携もしないまま放置していた。また、少なくとも2014年以降に監査役会は開催されたことがなく同社会計監査人とも接触していないなど、監査役会が全くその機能を果たしていなかったことに加え、内部監査も実施されておらず、そのための体制も整備されていなかったこと

以上を総合的に勘案すると、同社の内部管理体制等については、改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。

また、同社における会社機関の機能不全の状況、及びそうした中で代表取締役社長による指示の下、全取締役が関与した組織的な不正を長期間にわたって行っていたことは、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。
特設注意市場銘柄指定状況
特設注意市場銘柄指定履歴
上場契約違約金徴求銘柄

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)