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2019/09/19 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:すてきナイスグループ(株)

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 すてきナイスグループ株式会社 株式
(コード:8089、市場区分:市場第一部)
2.特設注意市場銘柄指定日 2019年9月20日(金)
  条文 有価証券上場規程第501条第1項第3号
(開示された情報の内容に虚偽があり、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.上場契約違約金金額 3,360万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
4.理由 すてきナイスグループ株式会社(以下「同社」という。)は、2019年7月24日に不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年8月1日に2014年3月期から2019年3月期までの決算短信及び四半期決算短信の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、グループ全体の経営を実質的に統括していた元代表取締役会長及び元代表取締役副会長を含む複数の取締役の関与の下、多数の非連結子会社の中から業績が好調な一部子会社を選別して連結範囲に加えるという手法によって、継続的に連結決算上の利益等を過大計上していたこと、また、2015年3月期には、元代表取締役会長が実質的に全株式を保有するペーパーカンパニーに対し、不動産を適正に売却したように装って、実体のない売上及び利益を計上していたことなどの不適切な会計処理が明らかになり、その結果、2014年3月期から2019年3月期までの決算短信等において、虚偽と認められる開示をしていたことが判明しました。
このような虚偽の開示が行われた背景として、主に以下の点が認められました。

・ 創業家出身の元代表取締役会長が絶対的な影響力を持ち、他の役職員は元代表取締役会長の意向に沿わない業務執行を行うことが困難な状況下で、同社取締役会は、元代表取締役会長らの職務執行に対する監督機能を適切に発揮しておらず、同社のガバナンスが機能不全に陥っていたこと
・ 同社は、会計監査人から受けた連結範囲の適正化に関する指導に必ずしも従わず、また、会計監査人が適切に監査を行うために必要な情報を十分に提供していなかったこと
・ 同社グループの役職員に、企業倫理や法令遵守の実践に向けた意識が不足していたこと
・ 同社グループの内部監査部門は、人員体制が十分ではなく、また、中核子会社の内部監査部門は、各管理部門を統括する経営推進本部の管轄下にあるなど、質量ともに十分な活動をなし得る体制がとられていなかったこと

一方、同社は、2019年8月23日に改善策を開示しましたが、同社の内部管理体制等について未だ不備があり、改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することといたします。
また、本件は同社の代表取締役を含む複数の取締役の関与の下で長期間にわたって行われていた不正行為の結果生じたものであり、さらに、過年度決算訂正の結果、複数の決算期における利益水準が赤字への転落を含め大幅に変動するものであることを踏まえると、東京証券取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることといたします。
特設注意市場銘柄指定状況
特設注意市場銘柄指定履歴
上場契約違約金徴求銘柄

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)