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2020/12/18 東証 特設注意市場銘柄の指定解除:ナイス(株)

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定を解除することとしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 ナイス株式会社 株式
(コード:8089、市場区分:市場第一部)
2.特設注意市場銘柄指定解除日 2020年12月19日(土)
  条文 有価証券上場規程第501条第4項第1号
(内部管理体制確認書を提出した上場会社において、内部管理体制等に問題があると認められない場合に該当するため)
3.理由 ナイス株式会社(以下「同社」という。)は、2019年7月24日に不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年8月1日に過去の決算短信等の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、グループ全体の経営を実質的に統括していた元代表取締役会長及び元代表取締役副会長を含む複数の取締役の関与の下、多数の非連結子会社の中から業績が好調な一部子会社を選別して連結範囲に加えるという手法によって、継続的に連結決算上の利益等を過大計上していたこと、また、元代表取締役会長が実質的に全株式を保有するペーパーカンパニーに対し、不動産を適正に売却したように装って、実体のない売上及び利益を計上していたことなどの不適切な会計処理が明らかになりました。その背景として、
・同社取締役会は、創業家出身の元代表取締役会長らの職務執行に対する監督機能を適切に発揮しておらず、同社のガバナンスが機能不全に陥っていたこと
・同社は、会計監査人から受けた連結範囲の適正化に関する指導に必ずしも従っていなかったこと
・同社グループの役職員に、企業倫理や法令遵守の実践に向けた意識が不足していたこと
・同社グループの内部監査部門は、質量ともに十分な活動をなし得る体制がとられていなかったこと
などが認められました。
以上により、内部管理体制等について速やかな改善を求めるために、2019年9月20日に同社株式を特設注意市場銘柄に指定しました。
今般、当該指定から1年を経過した後に同社から提出された内部管理体制確認書の内容等を確認したところ、同社では、
・役員構成の大幅な見直しと取締役会の監督機能の強化
・グループ会社に対する整理・統合の推進及び連結範囲の取扱い見直しによる非連結子会社の全社連結化の実施
・役職員のコンプライアンス意識の醸成に向けた研修及び継続的な周知活動等の実施
・内部監査部門の大幅な人員増強、監査役会・会計監査人との定期的な連携
等、改善に向けた取組みが行われていることが認められました。また、これ以外にも、相応の内部管理体制が構築、運用されていることが認められました。
以上のことから、同社の内部管理体制等に問題があると認められないため、同社株式について特設注意市場銘柄の指定を解除することにしました。
特設注意市場銘柄指定状況
特設注意市場銘柄指定履歴

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