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2021/02/05 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:小倉クラッチ(株)

 

以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 小倉クラッチ株式会社
(コード:6408、市場区分:JASDAQスタンダード)
2.改善報告書提出期限 2021年2月22日(月)
  条文 有価証券上場規程第502条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、改善の必要性が高いと認められるため)
3.公表措置公表日 2021年2月5日(金)
  条文 有価証券上場規程第508条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、公表が必要と認められるため)
4.理由 小倉クラッチ株式会社(以下「同社」という。)は、2020年12月16日、同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書及び過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社中国子会社2社において棚卸資産の過大計上が行われていたこと及び同社米国子会社において経理担当者による横領が行われていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2016年3月期から2021年3月期第1四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、2016年3月期において親会社株主に帰属する当期純利益の赤字を黒字と偽っていたことなどが判明しました。
こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・同社は、同社の役職員を海外子会社に派遣したことをもって、海外子会社においても国内拠点と同程度の業務執行体制が構築・運用されるものと過信しており、海外子会社の管理や海外子会社と十分な情報共有を行う体制を構築していなかったこと
・同社では、海外子会社のリスク情報を把握した際の情報共有の方法や報告対象者が明確ではなく、また、把握したリスク情報への対応を迅速に検討・報告する仕組みも構築していなかったこと
・中国子会社においては、会計システム及び生産管理システムの仕様や棚卸の重要性を十分に理解せずに業務を実施した結果、製造工程変更時の手続き漏れ、入出庫入力時の誤入力又は入力失念及び網羅的な棚卸の未実施などの事象が生じていたものの、当該事象を把握し是正する体制が構築されておらず、また、認識した棚卸差異についても適切な修正を行っていなかったこと
・米国子会社においては、送金業務を所管する担当役員が当該業務に適切に関与しておらず、送金システムに対する理解も不十分であったことから、社内規程に定められた手続きに依らずに送金業務が行われている状況を看過していたこと
・同社では、内部監査部門の人員不足により海外子会社における監査が不十分であるなど、海外子会社に対する牽制機能が発揮されていなかったこと

以上のとおり、本件は、同社の適時開示を適切に行うための体制の不備に起因して、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められることから、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。
また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。
公表措置
改善報告書一覧

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