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2022/01/11 東証 改善報告書の徴求、上場市場の変更(市場第一部からマザーズへの変更)及び上場契約違約金の徴求について:(株)EduLab

 

下記のとおり、改善報告書の徴求、上場市場の変更(市場第一部からマザーズへの変更)及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 株式会社EduLab
(コード:4427、市場区分:市場第一部)
2.改善報告書提出期限
2022年1月25日(火)
  条文 有価証券上場規程第502条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、改善の必要性が高いと認められるため)
3.市場変更日
2022年2月12日(土)
  条文 有価証券上場規程第315条の8第1項第2号
(一部指定等の申請に係る宣誓書において宣誓した事項について違反を行った場合であって、当該違反に起因して改善報告書の提出を求めるため)
4.上場契約違約金金額 4,800万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第3号
(宣誓書において宣誓した事項に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
5.理由 株式会社EduLab(以下「同社」という。)は、2021年8月2日、特別調査委員会の設置等について開示し、同年10月15日、同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の中間報告書の受領と追加調査の継続について開示するとともに、過年度の決算内容の訂正を開示しました。これらにより、同社及び同社子会社では、取引先との共同事業において事業損失引当金が計上されていなかったこと、同社関連会社に対する売上が過大に計上されていたこと及び連結範囲の調整等が行われていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2019年9月期から2020年9月期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2019年9月期の親会社株主に帰属する当期純利益が4割以上、2020年9月期の同利益が6割以上減少することなどが判明しました。
また、同社は、同日に新規上場時の有価証券届出書及び過年度の有価証券報告書を訂正し、2016年9月期から2020年9月期までの訂正後の連結財務諸表について意見不表明の監査報告書等を受領した旨及び2021年9月期第3四半期の四半期連結財務諸表について結論不表明の四半期レビュー報告書を受領した旨を開示しました。これにより、同社は、同社株式の新規上場申請及び市場変更申請において、当取引所に提出する書類がすべて真実である旨の宣誓書を提出していたにもかかわらず、申請書類に虚偽の財務諸表を記載していたこと及び虚偽の決算情報をもとに公募増資を実施していたことなども判明しました。
さらに、同社は、2021年12月24日、新たに複数の取引の売上計上等に関し過年度の会計処理を再訂正する必要又はその可能性を認識し、特別調査委員会の調査範囲を拡大して調査を行うため、2021年9月期有価証券報告書を期限までに提出できない旨を開示し、同年12月28日、関東財務局に同有価証券報告書の提出期限を2022年2月28日までに延長する申請を行い、2022年1月4日、関東財務局の承認を受けました。

これらの背景として、本件では主に以下の点が認められました。
 ・同社グループでは、関係会社又は複数の業務提携先等との取引において、契約内容が取引実態と異なっていることや、契約書や納品書等の証憑類の日付が事実と異なっていることを問題視しないなど、全社的にコンプライアンス意識が希薄であったこと
 ・複数の業務提携先等との取引において、証憑類の信頼性に疑義が生じたことによって、同社の売上高の実在性や期間帰属の適切性に疑義が生じているなど、同社の内部統制に重要な不備が存在すること
 ・上述の疑義の拡大などを原因として、同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査が繰り返し延長され、同社の会計監査人が監査意見を表明できない状態となっていること

以上のとおり、本件は、同社の適時開示を適切に行うための体制の不備に起因して、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められることから、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることとします。
また、上記のとおり、上場市場の変更申請に係る宣誓書において宣誓した事項について違反があり、市場変更における監査意見に関する形式基準に適合しておらず、当該違反に起因して改善報告書の提出を求めることから、同社株式について、市場第一部からマザーズへ上場市場の変更を行うこととします。
加えて、同社が、新規上場審査及び市場変更審査において、宣誓書に違反して申請書類に虚偽の財務諸表を記載していたこと及び虚偽の決算情報をもとに公募増資を実施していたことは、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。
なお、同社の特別調査委員会の調査は継続している状況でありその調査結果によって、今後新たな事実の判明や過年度の決算内容の再訂正の可能性があることから、日本取引所自主規制法人は、同社に対する会社情報の開示に係る審査及び実効性の確保に係る審査を継続します。
同社の内部管理体制等に関する新たな問題が判明した場合には、同社株式の特設注意市場銘柄への指定を含む追加的な措置等を講じる場合があります。
  • 同社の改善報告書等は、同社からの提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。
市場変更銘柄一覧
上場契約違約金徴求会社一覧
改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧

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