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2022/01/26 東証 特設注意市場銘柄の指定継続:ハイアス・アンド・カンパニー(株)

 

下記のとおり、特設注意市場銘柄の指定を継続することにしましたので、お知らせします。
※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 ハイアス・アンド・カンパニー株式会社 株式
(コード:6192、市場区分:マザーズ)
2.決定日 2022年1月26日(水)
  条文 有価証券上場規程第501条第4項第2号
(内部管理体制確認書を提出した上場会社において、内部管理体制等に問題があると認める場合に該当するため)
3.理由 ハイアス・アンド・カンパニー株式会社(以下「同社」という。)は、2020年9月30日、過年度の決算短信等の訂正及び監査報告書の意見不表明等について開示しました。その後、同社は、2020年10月26日、不適切会計に関する第三者委員会の最終調査報告書を開示しました。
これらにより、同社では、新規上場申請及び上場市場の変更申請に係る宣誓書において宣誓した事項について違反していたことが明らかになり、また、当該違反に関して、当取引所は、同社の内部管理体制等については改善の必要性が高いと認め、2020年11月27日に同社株式を特設注意市場銘柄に指定しました。

今般、当該指定から1年を経過した後に同社から当取引所に対して提出された内部管理体制確認書の内容等を確認したところ、同社では、2021年9月17日に開示した改善計画に関し、特設注意市場銘柄への指定原因等の問題行為に関与又はこれらを適切に防止できなかった経営陣(以下「旧経営陣」という。)が総退任するとともに、旧経営陣の持株比率が大幅に低下するなどの一定の取組が行われていることが認められました。
しかしながら、同社では、以下の点などが認められ、内部管理体制に関して更なる取組を必要とする状況が存在しており、これらの改善に向けた取組の進捗等についてなお確認する必要があると判断しました。
・旧経営陣の総退任後、新たに親会社となった会社の出身者や兼任者が同社役員に複数就任している状況において、利益相反のおそれがある親会社グループとの関連当事者取引に関する審議が取締役会等で十分に行われておらず、また、関連当事者の範囲をまとめたリストが適切に更新されないという運用上の不備が生じていたこと
・社内規程の整備において、改定後の各種規程の周知が数か月間行われず、その間、改定後の職務権限規程にて定められた決裁権限に基づかない不適切な稟議処理が複数件、実施されていたこと
・改善計画で定めた経営者による内部統制の無効化を防止するための改善策の一つである印章管理に関して、保管庫の鍵が適切に管理されておらず、その結果、本来の管理責任者以外の者による無許可での押印が行われていたこと
・改善計画の運用状況を確認するための内部監査が、改善計画で定めた期限内に実施されていないこと
・上記を含め審査上確認された各種の不備の背景として、経営陣におけるコンプライアンス意識の向上に向けた取組が不十分であり、その結果、内部管理体制の改善の基礎となる役職員におけるコンプライアンス意識の醸成・浸透が十分でない状況が継続していること

これらを踏まえると、同社の状況は内部管理体制等に問題があると認める場合に該当することから、同社株式について特設注意市場銘柄指定を継続することにしました。
なお、当該指定から1年6か月を経過した日(2022年5月27日)以後に、同社から再提出される内部管理体制確認書の内容等を確認し、内部管理体制等について改善がなされなかったと認められた場合は、同社株式は上場廃止となります。
特設注意市場銘柄一覧
特設注意市場銘柄指定履歴

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