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2022/03/31 東証 特設注意市場銘柄の指定:(株)EduLab

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社EduLab 株式
(コード:4427、市場区分:マザーズ)
2.特設注意市場銘柄指定日 2022年4月1日(金)
  条文 有価証券上場規程第501条第1項第3号
(適時開示の規則に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.理由 株式会社EduLab(以下「同社」という。)は、2021年8月2日、特別調査委員会の設置等について開示し、同年10月15日、同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の中間報告書の受領と追加調査の継続について開示するとともに、過年度の決算内容の訂正を開示しました。そして、特別調査委員会の調査の完了を受け、同社は2022年2月28日に特別調査委員会の最終報告書を開示し、再び過年度の決算内容の訂正を開示しました。これらにより、同社及び同社子会社では、取引先との共同事業において事業損失引当金が計上されていなかったこと、同社関連会社に対する売上が過大に計上されていたこと及び連結範囲の調整等が行われていたことに加えて、新たに同社では、自社所有のソフトウェアに対する要件定義取引やメール配信取引等において売上の前倒し計上が行われていたこと等が明らかになりました。その結果、同社は、新規上場に伴い開示した2018年9月期から2021年9月期第3四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2018年9月期の親会社株主に帰属する当期純利益が9割以上減少することなどが判明しました。
また、同社は、同日に新規上場時の有価証券届出書及び過年度の有価証券報告書を再訂正し、2017年9月期の親会社株主に帰属する当期純利益が赤字に転落することなども判明しました。
こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・同社前社長をはじめとする同社役員らは、不適切な会計処理が行われる端緒を識別し、防止することが可能であったとみられるところ、何の疑問も呈した形跡がないなど、上場会社経営者としてのコンプライアンス意識や、適正な財務報告への関心及び会計に関する知識が不足していたこと
・多数の売上取引の訂正が行われるなど、同社には不適切な会計処理を防止・発見する内部統制が整備・運用されておらず、また同社の管理部門・内部監査部門の体制も不十分であったこと
・同社グループでは、関係会社間取引又は業務提携先等との取引において、取引実態にそぐわない価格設定や、契約日付のバックデートが行われるなど、同社では取引の経済合理性や金額条件等を検討する契約プロセスが杜撰であったこと

同社に対しては2022年1月11日に改善報告書の提出及び上場契約違約金の支払いを求め、市場第一部からマザーズへ上場市場の変更を行うこととしましたが、同社の特別調査委員会の最終調査結果等によって新たに明らかになった事実やそれに伴う過年度決算の訂正を踏まえると、本件は、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。
なお、同社からは、2022年1月25日に改善報告書の提出を受けていますが、同社が今後特設注意市場銘柄として、改めて内部管理体制等の改善計画を開示したうえで、改善計画の開示から6か月経過後速やかにその改善計画の進捗状況について開示した場合には、改善報告書記載の改善措置の実施状況及び運用状況を記載した報告書(改善状況報告書)を提出したものとみなすこととします。
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