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2022/03/31 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:( 株)ジー・スリーホールディングス

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社ジー・スリーホールディングス 株式
(コード:3647、市場区分:市場第二部)
2.特設注意市場銘柄指定日 2022年4月1日(金)
  条文 有価証券上場規程第501条第1項第3号
(適時開示の規則に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.上場契約違約金金額 2,880万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第1号
(適時開示の規則に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
4.理由 株式会社ジー・スリーホールディングス(以下「同社」という。)は、2021年11月10日に特別調査委員会の設置を、2022年2月2日に同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を、また同年2月18日に過年度の決算内容の訂正をそれぞれ開示しました。これらにより、同社では、前代表取締役社長が、自身が主体的に関与する太陽光発電所案件に関して、会計処理の適切性確保を軽視し背景事情や資金の流れを取締役会で適切に報告しないまま、収益実現の要件を満たさない状況で売上を計上するなどの不適切な会計処理を行っていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2017年8月期第3四半期から2021年8月期第3四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2017年8月期及び2018年8月期の親会社株主に帰属する当期純利益の赤字を黒字と偽っていたことなどが判明しました。

こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・2015年にも太陽光発電所案件の取引に関して不適切な売上計上が発覚し、第三者委員会の調査報告書の提言に基づき2015年11月2日及び2016年1月29日に再発防止策を開示したものの、再発防止策が適切に実施されていなかったこと
・前代表取締役社長のみが太陽光発電事業の全体像を把握し、取締役会に適切な報告を行わなかったこと
・上記の再発防止策に基づき取締役会で深度のある審議を行うべきところ、論点整理された資料が事前に配布されず、不十分な審議で議案が承認されていたこと
・取締役監査等委員の全員が非常勤で、常勤の補助者もなく、社内情報を十分に入手していなかったにもかかわらず、取締役会の議案に係るエビデンスの確認や監査等委員会での検討が不十分であったこと
・太陽光発電事業に係る職務分掌が未整備で業務プロセスが不明確であった結果、前代表取締役社長の業務執行範囲が拡大したこと
・関連当事者情報の適切な把握や利益相反取引を防止するための体制が構築されていなかったこと

本件は、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の内部管理体制等については改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。
また、本件は、同社が過去に開示した再発防止策が適切に実施されず、内部管理体制の改善が不十分な状況において不適切な売上計上が行われたものであり、その結果、大規模な売上及び利益の訂正が生じ、投資判断情報として重要性の高い決算情報について長期間にわたり誤った情報を公表し続けることとなったことは、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。
特設注意市場銘柄一覧
特設注意市場銘柄指定履歴
上場契約違約金徴求会社一覧

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株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)