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2022/05/12 東証 改善報告書の徴求及び公表措置:(株)サカイホールディングス

 

以下のとおり、改善報告書の徴求及び公表措置を実施することにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.会社名 株式会社サカイホールディングス
(コード:9446、市場区分:スタンダード市場)
2.改善報告書提出期限 2022年5月26日(木)
  条文 有価証券上場規程第504条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、改善の必要性が高いと認められるため)
3.公表措置公表日 2022年5月12日(木)
  条文 有価証券上場規程第508条第1項第1号
(開示された情報の内容に虚偽があり、公表が必要と認められるため)
4.理由 株式会社サカイホールディングス(以下「同社」という。)は、2022年3月25日、同社の連結子会社における売掛金の過大計上の疑いに関する独立調査委員会の調査報告書を開示し、2022年3月31日、過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社の子会社社長が子会社経理部長に事業計画や営業目標の達成状況の報告に沿った営業利益となるように財務諸表を修正するよう指示し、売上及び売掛金の過大計上が行われていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2017年9月期から2021年9月期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、2018年9月期の連結経常利益476百万円を722百万円と、また、2019年9月期連結経常利益484百万円を787百万円とそれぞれ過大に表示したことなどが判明しました。
こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・子会社の経理体制において人材及び人員不足に起因する相互牽制体制に不備があったこと
・同社の内部監査は一部の子会社のみを内部監査の対象としており、売上及び売掛金の過大計上が行われていた子会社は内部監査の対象ではなく、内部監査室には専任の人員も配置されていない等の不備があったこと
・同社の常勤監査役は経営陣に強い提言ができておらず、子会社の監査役との情報交換もほとんど行われていなかったこと
・社外役員に提供される情報が限定的であり、会社としての問題点の把握に社外役員の知見を十分に活用できていなかったこと
・良好な営業成績を維持することがコンプライアンスを遵守するより優先される雰囲気が醸成されていたこと

あわせて、独立調査委員会の調査を経て、次のような内部管理体制上の論点も判明しています。
・社外役員に対して十分な説明がなされないまま、取締役会において代表取締役の権限を強化する職務権限規程の改正等がなされるなど、取締役や従業員の権限に対する牽制を目的とした適切かつ具体的な規程や体制の整備が行われていなかったこと
・同社では、その子会社において、これまでに複数の不祥事が発生し、その都度、ガバナンス体制の構築の必要性と内部統制の不備が指摘されてきたが、実効性のある子会社管理体制が整備されていなかったこと

以上のとおり、本件は、同社の適時開示を適切に行うための体制等の不備に起因して、投資者の投資判断に相当な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の適時開示体制について改善の必要性が高いと認められます。同社としては既に独立調査委員会の調査結果及び提言に沿って、具体的な再発防止策を策定し、ガバナンス体制及び管理体制の強化に取り組む方針を明らかにするとともに、2022年3月31日付で再発防止策に係る開示を行っていますが、同社における今後の取組みの徹底を促す観点から、同社に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることにしました。
また、本件について、公表を要するものと認められることから、公表措置を行うことにしました。
  • 同社の改善報告書等は、同社からの提出後、下記「改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧」ページに掲載します。
公表措置銘柄一覧
改善報告書・改善状況報告書徴求会社一覧

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