• X
  • facebook
  • instagram
  • youtube

マーケットニュース

2022/09/28 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:(株)ディー・ディー・エス

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社ディー・ディー・エス 株式
(コード:3782、市場区分:グロース市場)
2.特設注意市場銘柄指定日 2022年9月29日(木)
  条文 有価証券上場規程第503条第1項第3号
(適時開示の規則に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.上場契約違約金金額 2,400万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第1号
(適時開示の規則に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
4.理由  株式会社ディー・ディー・エス(以下「同社」という。)は、2022年5月12日に第三者委員会の設置を、同年8月8日に同社における不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を、同年8月12日に過年度の決算内容の訂正を、また同年9月2日に過年度の決算内容の再訂正をそれぞれ開示しました。
 これらにより、同社では、元代表取締役会長の主導及び複数の取締役の関与により、業績予想等の達成等を目的として、ソフトウェアライセンス販売取引等において収益実現の要件を満たさないにもかかわらず売上を計上したこと、元代表取締役会長に対する貸付金に回収可能性を踏まえた貸倒引当金が計上されていなかったこと、元代表取締役会長が実質的な支配者である海外法人に対する不適切な売上計上や、同法人を適切に連結範囲に含めていなかったこと等の不適切な会計処理を行っていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2017年12月期から2022年12月期第1四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2017年12月期の比較財務情報として開示された2016年12月期の各段階利益及び2018年12月期の営業利益の赤字を黒字と偽り、継続企業の前提に関する重要事象等の記載の解消に係る開示を行っていたことが判明しました。

 こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・ 元代表取締役会長による非現実的な売上予算の策定と予算必達の厳命が役職員へのプレッシャーとなり、会計基準に照らして適切でない売上計上等につながったこと
・ 元代表取締役会長以外の役員は、取締役会等において十分な資料を基にした慎重な審議を経ることなく元代表取締役会長の意向に沿って議案を承認する等、牽制意識が欠如し、ガバナンスの機能不全が恒常化していたこと
・ 現在、管理担当取締役が不在であり、内部監査部門の人員不足が生じているなど、管理部門・内部監査部門の体制が整備されておらず、かつ、実態にそぐわない売上又は資産計上を防止する体制及び適時開示体制などの内部管理体制の整備も不十分であること

 本件は、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の内部管理体制等については改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。
 また、本件は、投資判断情報として重要性の高い決算情報について、長期間にわたり誤った情報が公表し続けられ、継続企業の前提に関する重要事象等の記載の解消に係る開示を行っていたものであることから、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


S