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2023/03/29 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:(株)東京衡機

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社東京衡機 株式
(コード:7719、市場区分:スタンダード市場)
2.特設注意市場銘柄指定日 2023年3月30日(木)
  条文 有価証券上場規程第503条第1項第3号
(適時開示の規定に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
3.上場契約違約金金額 1,440万円
  条文 有価証券上場規程第509条第1項第1号
(適時開示の規定に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため)
4.理由 株式会社東京衡機(以下「同社」という。)は、2023年3月3日に同社における不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、同年3月8日に過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、商事事業担当取締役らの関与によって、商事事業において販売価格と仕入価格の純額を手数料収入として会計処理すべき取引を、取引商材の販売価格で売上高に総額計上するなどの不適切な会計処理を行っていたことが明らかになりました。その結果、同社は、2019年2月期から2023年2月期第2四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、同社の主たる事業である商事事業に係る売上高の大半が取り消され、2020年2月期、2021年2月期及び2022年2月期の連結売上高が10%以上減少し、特に2021年2月期において約53%、2022年2月期において約45%の減少を伴う連結売上高の訂正が生じていることなどが判明しました。

こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・商事事業担当取締役は、商事事業の売上高を総額計上するために意図的に稟議内容を調整するなど、商事事業の売上高を増やすことを強く意識し、取引の実態よりも数字を重視する姿勢が見られたほか、その他の役職員も、当該姿勢や書類の記載内容が実態と異なることを認識し得たにもかかわらず疑義を呈することがなかったなど、会計知識及びコンプライアンス意識が欠如していたこと
・取締役は、監査法人から商事事業の内部統制に関する指摘事項を報告されたにもかからず、商事事業担当取締役に対して改善を十分に促しておらず、取締役相互間の監督機能が十分に機能していなかったこと
・監査役は、監査法人からの指摘を踏まえ商事事業担当取締役に是正を求めていたものの、是正状況の継続的な確認や、厳格な改善措置を求めるまでには至っておらず、不十分な対応となっていたこと
・内部監査部門は、商事事業において稟議決裁前に仕入先に対する発注を行っている状況などを発見していたにもかかわらず、形式的な改善指示を行うにとどまっており、内部監査部門としての十分な役割を果たしていなかったこと
・同社は中国子会社の不正に起因する適時開示の規定に違反したことにより2018年3月に改善報告書を提出しているが、改善報告書に記載された改善策の一部は、一過性のものとして徹底されていなかったこと

本件は、投資者の投資判断に重要な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。
また、本件は、上記背景のもと投資判断情報として重要性の高い決算情報について長期間にわたり誤った情報を公表し続けたものであり、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。
特設注意市場銘柄一覧
特設注意市場銘柄指定履歴
上場契約違約金徴求会社一覧

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株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)