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2023/05/19 東証 特設注意市場銘柄の指定解除:(株)ジー・スリーホールディングス

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定を解除することとしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社ジー・スリーホールディングス 株式
(コード:3647、市場区分:スタンダード市場)
2.特設注意市場銘柄指定解除日 2023年5月20日(土)
  条文 有価証券上場規程第503条第4項第1号
(内部管理体制確認書を提出した上場会社において、内部管理体制等に問題があると認められない場合に該当するため)
3.理由 株式会社ジー・スリーホールディングス(以下「同社」という。)は、2022年2月2日に不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を開示し、同年2月18日に過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、前代表取締役社長が、自身が主体的に関与する太陽光発電所事業に関して、会計処理の適切性確保を軽視し、背景事情や資金の流れを取締役会で適切に報告しないまま、収益実現の要件を満たさない状況で売上を計上するなどの不適切な会計処理を行っていたことが明らかになりました。その背景として、
・2015年にも太陽光発電所事業の取引に関して不適切な売上計上が発覚し、第三者委員会の調査報告書の提言に基づき2015年11月2日及び2016年1月29日に再発防止策を開示したものの、再発防止策が適切に実施されていなかったこと
・前代表取締役社長のみが太陽光発電事業の全体像を把握し、取締役会に適切な報告を行わなかったこと
・上記の再発防止策に基づき取締役会で深度のある審議を行うべきところ、論点整理された資料が事前に配布されず、不十分な審議で議案が承認されていたこと
・監査等委員の全員が非常勤で、常勤の補助者もなく、社内情報を十分に入手していなかったにもかかわらず、取締役会の議案に係るエビデンスの確認や監査等委員会での検討が不十分であったこと
・太陽光発電事業に係る職務分掌が未整備で業務プロセスが不明確であったこと
・関連当事者情報の適切な把握や利益相反取引を防止するための体制が構築されていなかったこと
等が認められました。
以上により、同社の内部管理体制等については改善の必要性が高いと認められたことから、2022年4月1日に同社株式を特設注意市場銘柄に指定しました。

今般、当該指定から1年を経過した後に同社から提出された内部管理体制確認書の内容等を確認したところ、同社では、
・経営会議において事業の進捗報告、取締役会付議事項に係る資料の事前の共有・審議を行うほか、役職員を対象とする自社事業に関する勉強会の開催等により、情報共有の体制が改善されたこと
・取締役会において、資料の事前配布の徹底、経営会議における議論を踏まえた議案の審議等のほか、新たに明文化された選任基準に基づく社外取締役候補者の選任等により、形骸化していた取締役会の審議を活性化するための体制が整備されたこと
・監査等委員会の事務局の設置、常勤監査等委員の選任、常勤監査等委員の経営会議への参加等、監査等委員会の情報収集の体制が改善されたこと
・業務プロセス全般を見直して社内規程を整備し、規程に沿った運用が行われていること
・関連当事者取引に関して、社外取締役と外部有識者で構成するコンプライアンス委員会への諮問及び意見聴取、関連当事者管理規程の整備、関連当事者リストの定期的な更新等、関連当事者を把握する管理体制や利益相反取引を防止する体制が構築されたこと
等、内部管理体制等が改善され、かつ対応が行われていることが認められました。また、これ以外の点を含めて、相応の内部管理体制が構築、運用されていることが認められました。
以上のことから、同社の内部管理体制等に問題があると認められないため、同社株式について特設注意市場銘柄の指定を解除することにしました。
特設注意市場銘柄一覧
特設注意市場銘柄指定履歴

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