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2023/08/29 東証 特設注意市場銘柄の指定解除:アジャイルメディア・ネットワーク(株)

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定を解除することとしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 株式
(コード:6573、市場区分:グロース市場)
2.特設注意市場銘柄指定解除日 2023年8月30日(水)
  条文 有価証券上場規程第503条第4項第1号
(内部管理体制確認書を提出した上場会社において、内部管理体制等に問題があると認められない場合に該当するため)
3.理由 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社(以下「同社」という。)は、2022年4月11日付で、不適切な会計処理等に関する第三者委員会の調査報告書を開示し、当該調査結果に基づき、同年5月11日付で、過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらの開示により、同社では、新規上場直後に当時の財務統括最高責任者である取締役(以下「取締役CFO」という。)が主導して架空売上を計上していたこと、取締役CFOが新規上場前から継続して不正な資金流出を行っていたことなどが明らかになりました。
また、同社は、2021年7月14日付で過年度決算内容の訂正(以下「前回訂正」という。)を開示していますが、当該訂正前に設置された第三者委員会による調査(以下「前回調査」という。)が監査役監査の機能不全や当時の代表取締役社長も関与した証拠となりうる複数の電子データの削除などに起因して不適切な会計処理の全容を解明しないまま終了し、前回訂正が不正確かつ不十分なものであったことも明らかとなりました。
これらの不正の背景として、前回調査において明らかとなった「取締役CFOによる内部統制システムの無効化」や「それを看過した体制の不備」、「監査役監査や内部監査の機能不全」、「低い従業員のコンプライアンス意識」などに加えて、
・ 監査役を含む複数の役職員が、前回調査の終了前後に前回調査では判明しなかった取締役CFOが主導した架空売上の疑義を認識していたにもかかわらず、必要な是正のための対応を怠り、かつ、外部機関からの指摘によって、再度、第三者委員会が設置されるまで放置するなど、会社として、不正を早期発見し、是正するための内部管理体制が機能していなかったこと
・ 当時の代表取締役社長を含む複数の役職員が、前回調査の実施前後において証拠となりうる複数の電子データを削除するなど、不正発覚後における適正な会社情報の開示に向けて、会社として積極的に事実の解明に取り組んでいなかったこと
などの内部管理体制上の不備が認められました。
以上により、同社の内部管理体制等については改善の必要性が高いと認められたことから、2022年6月16日に同社株式を特設注意市場銘柄に指定しました。

今般、当該指定から1年を経過した後に同社から提出された内部管理体制確認書の内容等を確認したところ、同社では、
・ 経営体制を刷新した上で、取締役会への報告内容の充実や取締役会審議における議論の活性化に取り組むとともに、任意の指名委員会への諮問による役員候補者選定プロセスの透明化、外部専門家で構成するガバナンス強化委員会を活用した取締役会上程までの意思決定プロセスの適正性確保への取組みなど、実効性ある取締役会の運営による監督機能の強化に努めていること
・ 監査等委員会と内部監査室の相互の情報共有による連携強化、常勤監査等委員及び内部監査室の社内情報へのアクセス権限の拡大、内部監査室の専任担当者の確保、内部監査室への外部専門家によるサポート体制の導入など、監査等委員会監査や内部監査の実効性確保に向けた環境整備による監査機能の強化を行い、着実にそれらの監査を実施していること
・ 新設したコンプライアンス専門部署の主導による定期的なコンプライアンス研修と理解度テストの実施、職業倫理の確立のための方針策定と各種施策の実行、その達成状況の定期的な評価などにより、役職員のコンプライアンス意識の改善を図っていること
など、内部管理体制等が改善されており、上記以外の点も含め、相応に内部管理体制が構築、運用されていることが認められました。
以上のことから、同社の内部管理体制等に問題があると認められないため、同社株式について特設注意市場銘柄の指定を解除することにしました。
特設注意市場銘柄一覧
特設注意市場銘柄指定履歴

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