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2023/08/30 東証 監理銘柄(確認中)の指定解除及び特設注意市場銘柄の指定について:(株)ビジョナリーホールディングス

 

以下のとおり、監理銘柄(確認中)の指定解除及び特設注意市場銘柄の指定を行うことにしましたので、お知らせします。
※特設注意市場銘柄の指定については、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社ビジョナリーホールディングス 株式
(コード:9263、市場区分:スタンダード市場)
2.監理銘柄(確認中)指定解除日 2023年8月31日(木)
  条文 有価証券上場規程第601条第1項第7号
(有価証券報告書を提出したため)
3.特設注意市場銘柄指定日 2023年8月31日(木)
  条文 有価証券上場規程第503条第1項第2号b
(上場会社の財務諸表等に添付される監査報告書等において意見不表明等が記載され、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため)
4.理由 【監理銘柄(確認中)の指定解除について】
当取引所は、2023年7月27日に、株式会社ビジョナリーホールディングス(以下「同社」という。)が有価証券報告書の法定提出期限(2023年7月31日)までに有価証券報告書を提出できる見込みのない旨の開示を行ったことから、同社株式を監理銘柄(確認中)に指定していました。
本日、同社による有価証券報告書の提出が確認されたため、同社株式について、2023年8月31日付で、監理銘柄(確認中)指定を解除することとします。

【特設注意市場銘柄の指定について】
同社は、2023年5月31日に第三者委員会の調査報告書の開示を、同年6月13日に2023年4月期第3四半期報告書(以下「第3四半期報告書」という。)の提出を、同年7月26日に責任調査委員会の調査報告書の開示を、また、本日、2023年4月期有価証券報告書(以下「有価証券報告書」という。)の提出を行いました。
これらの開示、提出等により、以下の事項が明らかとなりました。
・同社グループでは、2023年3月7日に同社代表取締役社長を辞任した者(以下「同社元社長」という。)を含む複数の者が共謀することで、内部統制を無効化するとともに、同社元社長等の私的な利益追求を優先すると考えられる行為が長期間にわたり行われていた疑義があるものの、同社はこの疑義の全容を十分に解明できていないこと
・第三者委員会の調査報告書において、同社元社長等が意思決定機関を支配していることが伺われ、同社の子会社として取扱うことが適切と推測できるとされた会社(以下「疑義対象会社」という。)に関する会計情報等の提供要請に同社元社長等が十分に応じない中で、同社は疑義対象会社である20社以上を連結の範囲に含めるべきか等を判断するために必要な情報及び根拠等を入手できていないこと
・同社グループと疑義対象会社との間では、長年にわたり多額の業務委託取引等が行われており、その額は2023年4月期連結会計年度においては11億円を超えるものとなっているものの、同社はこれらの業務委託費の金額に未発見の虚偽表示が含まれているかどうかなどを判断するために必要な情報及び根拠等を入手できていないこと
・こうした状況が生じた中で、第3四半期報告書の四半期連結財務諸表に添付される四半期レビュー報告書が結論不表明となり、また、有価証券報告書の連結財務諸表に添付される監査報告書が意見不表明となったこと

上記の状況が生じた背景等として、主に以下の点が認められました。
・同社グループでは、疑義対象会社との取引については、同社元社長等が手続の責任者等となっていたため、取引の妥当性、適正性について実質的に検証できる体制となっておらず、また、契約締結時の稟議その他の決裁プロセスに係る書面や業務ごとの見積書等に適切に保管されていないものが存在しており、事後的にも取引の妥当性、適正性等が適切に検証できない状況が生じていたこと
・複数の同社元取締役や元常勤監査等委員が、同社元社長を含む複数の者が共謀することで、内部統制を無効化するとともに、同社元社長等の私的な利益追求を優先すると考えられる行為の疑義を認識した、もしくは、認識し得たにもかかわらず、取締役会等での問題提起や事実関係の更なる確認を適切に行っていなかったなど、同社元社長等に対する監督・監査責任を十分に果たしていなかったこと
・同社では、同社元社長を委員長とするコンプライアンス委員会を定期的に開催し、コンプライアンス上の重要問題の審議やコンプライアンス体制定着のための諸活動を行うとされていたものの、こうした活動は十分に行われておらず、また、社外取締役からの指摘後も同様の状態が継続していたこと
・同社では、規程どおりに取締役会に案件が付議・報告されないなど取締役会の運営に不備が生じていたこと
・同社では、法務部門や経理部門、内部監査部門が軽視され脆弱な体制となっており、特に、内部監査部門では専任の担当者が配置されず、また、内部監査業務の外部委託範囲も限定的であった結果、内部監査を適切に行う体制が構築されていなかったこと

本件は、投資者が適切な投資判断を行うにあたっての前提となる有価証券報告書等の財務諸表等に添付される監査報告書の監査意見等が意見不表明等となったものであり、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。
監理・整理銘柄指定状況
監理・整理銘柄指定履歴
特設注意市場銘柄指定状況
特設注意市場銘柄指定履歴

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