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2023/11/29 東証 特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:(株)アルデプロ

 

以下のとおり、特設注意市場銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社アルデプロ 株式
(コード:8925、市場区分:スタンダード市場)
2.特設注意市場銘柄指定日 2023年11月30日(木)
  理由
 (関連条項)
適時開示の規定に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第503条第1項第3号)
3.上場契約違約金金額 2,880万円
  理由
 (関連条項)
適時開示の規定に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を棄損したと認められるため
(有価証券上場規程第509条第1項第1号)
4.理由の詳細 株式会社アルデプロ(以下「同社」という。)は、2023年9月28日、同社における不適切な会計処理に関する社外調査委員会の調査報告書を開示し、また、当該調査報告書を踏まえ、同月29日付で、過年度の決算内容の訂正を開示しました。
これらにより、同社では、代表取締役社長の主管であった不動産売買が、循環取引の一部を構成するものであったこと、また、循環取引に関し実態のない売上高、売上原価及び営業利益を計上する会計処理を行い、2023年7月期第3四半期の決算短信について、上場規則に違反した虚偽の開示を行っていたことが明らかになりました。上記の決算内容の訂正は、同社の同期間における売上高が5割以上減少し、営業利益が2割以上減少する水準でした。
さらに、同社は、上記調査報告書を踏まえ、2023年9月29日及び同年10月12日付で、複数の不動産売買に係る開示及び支配株主等に関する事項の開示を訂正しました。
これらにより、同社では、代表取締役社長の主導する複数の不動産売買が、同社の大株主により実質的に支配されている合同会社を相手方とする取引であったにもかかわらず、当該不動産売買に係る適時開示資料において資本関係及び人的関係がない相手方との取引である旨を記載しており、上場規則に違反した虚偽の開示を行っていたことが明らかになりました。また、支配株主等に関する事項の開示においても、当該不動産売買に関する適切な記載を行っておらず、上場規則に違反した開示を行っていたことが明らかになりました。
こうした開示が行われた背景として、本件では主に以下の点が認められました。
・過去に特設注意市場銘柄への指定を受けて策定された再発防止策について、特設注意市場銘柄の指定解除後、時間が経過する中で、その運用等に複数の不備が認められる状況が生じていたものの、経営陣はこれらを是正するための十分な対応を行っていなかったなど、不正防止のための牽制体制が適切に機能していなかったこと
・代表取締役社長による取引先名義の残高確認回答書の作成及び監査法人への提出や、取締役による取引先との契約違反の疑義がある行為の実施など、代表取締役社長を含む経営陣がコンプライアンス意識に欠けた行為を行っていたこと
・代表取締役社長が取締役会等に対して不動産売買の相手方である合同会社への匿名組合出資の実態等を秘匿したまま取引を行ったことにより、本来、密接な関係にある大株主が関与する取引について、取締役会にて行うべき取引の公正性や妥当性、関連当事者取引への該当性の有無などの適切な検証が行われておらず、内部統制の無効化が生じていたこと

本件は、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす会社情報について、上場規則に違反して不適正な開示が行われたものであり、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特設注意市場銘柄に指定することとします。
また、本件は、過去に策定した再発防止策の実効性のある運用が継続されていなかった中で、コンプライアンス意識を欠いた経営陣により内部統制が無効化され、本来必要な検証が行われないまま虚偽の開示が複数年度にわたって行われたものであり、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。
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株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)