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マーケットニュース

2025/03/26 東証 特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:(株)エルアイイーエイチ

 

以下のとおり、特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 株式会社エルアイイーエイチ 株式
(コード:5856、市場区分:スタンダード市場)
2.特別注意銘柄指定日 2025年3月27日(木)
  理由
  (関連条項)
企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第503条第1項第4号)
3.上場契約違約金金額 1,440万円
  理由
  (関連条項)
企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため
(有価証券上場規程第509条第1項第2号)
4.理由の詳細 株式会社エルアイイーエイチ(以下「同社」という。)は、取締役会の承認などの適切な手続きを経ない自身の役員報酬の増額や個人口座等への金銭送金などの前代表取締役社長による不適切な行為があったことに関して、2024年11月18日、同社取締役会の諮問機関として設置した外部専門家により構成されるガバナンス委員会の調査結果を開示しました。
これにより、前代表取締役社長のコンプライアンス意識の著しい欠如により不適切な行為が行われ、同社の内部統制が実質的に無効化されていたことが判明しました。
これらの背景として、同社では主に以下の点が認められました。

・前代表取締役社長は、取締役会から各取締役の報酬等の決定に関する一任を受けていなかったにもかかわらず、自身の役員報酬について多額の増額の指示を行い、実際に支払いを受け取っていたことや、取締役会の承認を得ずに、会社口座から自身の個人口座に送金していたなど、複数の不適切な行為を行っており、経営者としてのコンプライアンス意識が著しく欠如していたこと。また、自身の方針に反対する役員に対して罵倒、暴言を行うなどのパワーハラスメントを行いながら、これらの不適切な行為に関する命令を行うなど、経営者による内部統制の無効化を生じさせていたこと
・前代表取締役社長による不適切な行為が行われた当時、取締役経理部長の職などにあった現代表取締役社長は、不適切な行為やそれに関する命令について、取締役会や監査等委員会に報告することなく実行していたなど、前代表取締役社長に対する適切なけん制・監視機能を発揮せず、その不適切な行為を放置・追認しており、コンプライアンス意識が欠如していたこと
・取締役会では、事業投資や新規事業の開始などの案件について、取締役会決議が必要であるにもかかわらず、実際に決議を行っておらず、また、こうした実際に決議を行っていない案件について、事後的に臨時取締役会決議を行ったものとするために取締役会議事録を作成していたなど、取締役会の機能が形骸化していたこと。また、前代表取締役社長以外の各取締役も、こうした取締役会の実態について特段の是正・改善を求めることなく放置しており、各取締役が適切な機能を十分に発揮していなかったこと
・監査等委員会は、前代表取締役社長による不適切な行為や内部統制の無効化などを是正できず、取締役や取締役会の業務執行の適正の確保に向けた監査機能を十分に発揮していなかったこと。また、内部監査についても、内部監査室に営業要員が形式的に配属されているのみで実際の業務を行っていなかったほか、監査等委員によって形式的な内部監査計画の策定や内部統制報告への対応を行っていたなど、内部監査体制が十分に整備されておらず、その機能が発揮されていなかったこと
・同社は、前代表取締役社長を含む当時の経営陣のコンプライアンス意識の欠如などを主たる原因・背景事情とする過年度の決算訂正を行い、過去2回にわたって当取引所より改善報告書の徴求措置を受けているにもかかわらず、当該措置に関する根本原因が解消されることのないまま、前代表取締役社長による内部統制の無効化により本件の一連の不適切な行為が発生し、長期間にわたって取締役会などが適切に機能せず、内部管理体制について極めて重大な不備が生じたものであること

以上を総合的に勘案すると、同社では、業務の適正を確保するために必要な体制が適切に構築・運用されておらず、企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反したと認められ、かつ、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特別注意銘柄に指定することとします。
また、本件は、上述のとおり、前代表取締役社長による内部統制の無効化により不適切な行為が発生し、取締役会などが適切な機能を果たさなかった結果、長期間にわたって内部管理体制に極めて重大な不備が生じたものであり、市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)


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