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マーケットニュース

2026/04/30 東証 特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求:エア・ウォーター(株)

 

以下のとおり、特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求を行うことにしましたので、お知らせします。

※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.銘柄 エア・ウォーター株式会社 株式
(コード:4088、市場区分:プライム市場)
2.特別注意銘柄指定日 2026年5月1日(金)
  理由
  (関連条項)
企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反し、内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるため
(有価証券上場規程第503条第1項第4号)
3.上場契約違約金金額 9,120万円
  理由
  (関連条項)
企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反し、当取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められるため
(有価証券上場規程第509条第1項第2号)
4.理由の詳細 エア・ウォーター株式会社(以下「同社」という。)は、2026年4月3日に同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を開示しました。
これにより、同社及び複数の連結子会社において、経営トップを含む一部の経営陣の関与のもとで、在庫の過大計上・評価損の先送り、売上の過大計上・先行計上、引当金の計上回避及び資産性のない支出の資産計上を用いた損益調整などが行われていたことが判明しました。さらに、経営トップの不適切な会計処理の容認、経営トップに忖度した経営陣及び管理部門責任者による不適切な会計処理への関与・黙認により、同社及び複数の連結子会社の内部統制が実質的に無効化されていたことが判明しました。
また、上記のほかに、同社の自主点検チームによる調査によって、二重計上・スルー取引による売上高の過大計上、在庫の過大計上、固定資産・のれんの減損損失の計上漏れ及び引当金の計上漏れなどが判明しました。
その結果、同社は、2020年3月期から2025年3月期までの連結財務諸表において、売上収益669億円(予定累計額)、営業利益335億円(予定累計額)を過大に計上していたなど、決算数値を偽っていたことが判明しました。

これらの背景として、同社では主に以下の点が認められました。
・過大な売上・利益目標と強い業績プレッシャーの下、経営陣が不適切な会計処理を指示・容認・黙認する状況が認められ、事業部門、管理部門及び内部監査部門において内部統制が有効に機能していなかったこと
・人事・報酬に関する実質的権限が経営トップに集中し、取締役会、監査役会及び指名・報酬委員会等が形式的運用にとどまった結果、経営トップの不適切な判断や行為に対する是正・けん制が働かない環境が形成されていたこと
・積極的なM&Aによりグループ規模が急拡大する一方、買収後の統合や子会社管理、規程類の整備・運用が不十分であったことに加え、グループ規模に比して連結管理体制及び内部監査体制が著しく脆弱であった結果、グループ全体を俯瞰した統制・管理が機能せず、会計処理の実質的妥当性や業務実態を十分に検証することなく形式的な確認にとどまっていたこと
・不適切な会計処理を業績達成の手段として正当化する風土が形成され、監査法人及び特別調査委員会に対する虚偽説明、資料・データの改ざん、調査妨害行為も発生するなど、適正な財務諸表を作成し投資家に説明する責任が同社自身にあるとの認識が十分に浸透していなかったこと

以上を総合的に勘案すると、同社では、経営トップによる過度な業績プレッシャー等により同社及び連結子会社の一部の経営陣の関与のもとで長期間にわたり複数の不適切な会計処理が行われ、背景として業務の適正を確保するために必要な体制が適切に構築・運用されておらず、企業行動規範の遵守すべき事項(業務の適正を確保するために必要な体制整備)の規定に違反したと認められ、かつ、同社は2026年4月3日付で再発防止策に係る開示を行っているものの、未だ、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特別注意銘柄に指定することとします。
また、同社は、プライム市場上場会社として高い内部管理体制が期待されているにもかかわらず、取締役会、監査役会、事業部門、管理部門及び内部監査部門が適切に機能せず、M&Aによりグループ規模が急拡大する一方、グループ全体を俯瞰した統制・管理が十分に行われておらず、長期間にわたって内部管理体制に極めて重大な不備が生じていたものであり、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。

お問合せ

株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
電話:03-3666-0141(代表)