経済を学ぶ for STUDENTS 経済を学ぶ for STUDENTS

1-1.証券とは①~金融市場~

金融市場とは、資金の取引が行われる場全体を意味しますが、幾つかの分類方法があります。
そのうちの一つが、資金の提供者(資金余剰部門)から資金の調達者(資金不足部門)へのお金の流れに着目する方法です。資金の流れは、さらに仲介手段の観点から、証券市場を通じるもの(直接金融)と、銀行等の金融機関を通じるもの(間接金融)の2つに分かれます。

直接金融

直接金融

企業が証券(株式や債券など)を発行し、事業に必要な資金について、一般の投資家などから直接提供を受けることをいいます。企業は、事業活動で利益を得た場合、配当金や利子を投資家に支払います。一方で、投資家は企業に直接資金を提供しているため、企業が倒産した場合は提供した資金が回収できない損失(リスク)を負担します。
この直接金融が行われる場が証券市場であり、証券の発行・取得が行われる「発行市場」と、すでに発行された証券の売買が行われる「流通市場」に分かれます。
この2つの市場が有機的に関連し、相互に影響を及ぼすことで、証券市場は資金の効率的な配分・利用という機能を発揮します。

間接金融

間接金融

企業が事業に必要な資金などを、金融機関(銀行など)からの借入れにより集めることをいいます。
企業に貸し出される資金は、一般の人などから預金として集めたお金であるため、「間接」と呼ばれます。
預金者は、自分の預金がどの会社に貸し出されているかを知ることはありません。
また、貸出先の企業が倒産しても、銀行が倒産しない限り預金が減ることはありません。(現在はペイオフ解禁となり、自分が預けている銀行が倒産した場合は、1,000万円とその利子までが保証されます。) 

金融機関からの借入れは返済期限があるため、会社は借りた資金を返さなければいけませんが、株式は原則として返済の必要がないため、長期にわたる安定した資金として使用することができます。

一般的に、短期の運転資金には間接金融が、長期の設備投資資金等には直接金融が向いているといわれます。

株式会社の資金調達