経済を学ぶ for STUDENTS 経済を学ぶ for STUDENTS

5.清算・決済とは

売買から清算・決済の流れ

取引所市場で売買が成立した場合、例えば株式であれば買った人は売った人に代金を支払い、株式を売った人は買った人に株式を渡す必要があります。
このように、売買が成立してから決済が行われるまでの流れは、売買、清算、決済の三段階に区分することができます。売買機能を担う主体を取引所、清算機能を担う主体を清算機関、決済機能を担う主体を決済機関と呼びます。
現在、取引所取引の清算は株式会社日本証券クリアリング機構、決済は株式会社証券保管振替機構が担っています。

売買から決済までは、同時には行われません。売買が行われてから決済は、通常売買日を含めて3営業日目に行われます。例えば月曜日に行われた売買の決済は、その週の水曜日に行われることになります。
株式について、配当、株主優待、株式分割などの権利を受けるためには、基準日に株主でなければなりません。株主としての権利を取れる売買が「権利付き」、権利の取れない売買が「権利落ち」となります。

清算:(株)日本証券クリアリング機構

ネッティングによる清算方式

取引所で行われる大量の売買について、1件ごとに当事者同士で決済を行うのは大変です。
そこで、清算機関である(株)日本証券クリアリング機構(以下、「JSCC」という)が、株式等の売り方と買方との間で発生した債務を双方から引き受けるとともに、それに対応する債権を取得するという形で、当事者として間に入ります。

有価証券の受渡し

同一の決済日、同一証券会社、同一の銘柄の取引は、成立した値段に関係なく、売り買いの株数を相殺して差引き分の株数を計算します。そして、JSCCとの間で、株式等の受渡しを行います。

代金の授受

同一の決済日、同一証券会社の取引について、全ての売り代金と買い代金を相殺して差引きの金額を算出し、その代金の授受をJSCCとの間で行います。

決済:(株)証券保管振替機構

証券会社間の株式の受渡しは、証券会社の口座間の振替によって行われます。これは、銀行間の送金で実際の現金を移動せずに口座で振り替えるのと似た仕組みです。
具体的には、証券会社が(株)証券保管振替機構(以下、「ほふり」という)に口座を設け、決済を行うJSCCからの指図に基づいて、JSCCの口座と売方及び買方の証券会社の口座の間で、株式の振り替えが行われます。